四国の公営競技、4団体が単年度赤字 10年度
四国の県や市などが運営する地方公営競技(ギャンブル)の苦境が続いている。2010年度に公営ギャンブルを主催した四国の10団体(一部事務組合を含む)のうち、4団体が単年度収支で赤字を計上した。景気低迷に加え、ファンの高齢化などで売り上げが減少し、コスト削減策が追いつかない。香川県観音寺市では、競輪場の本場開催からの撤退問題が浮上した。
10年度決算で単年度収支の赤字を計上したのは徳島県鳴門市(競艇)、高知市(競輪)など4団体。もうけの一部を配分し、自治体の懐を潤してきた公営ギャンブルだが、10年度に一般会計など他会計へ収益を配分できたのは4団体にとどまった。高知市、鳴門市、徳島県小松島市の3団体は累積赤字を抱える。
競技別では、競輪に苦境が目立つ。高松市の高松競輪は本場の入場者数が前年度比13%減。09年度から2年間のバンク改修費の負担も重く、2年連続で単年度収支は赤字を計上した。
小松島市の小松島競輪も累積赤字が3億2300万円に膨らみ、11年度から財団法人JKA(旧日本自転車振興会)に支払う交付金の猶予を受ける。
鳴門市の鳴門競艇も東日本大震災後、3月中のレースを中止したことなどが響いた。2年連続の赤字で、累積赤字は8億円を超える見通し。売り上げ増加を図るため、今年秋には、鳴門が休みの日でも全国の全レースの舟券を買える発売所を新設する。
高知市が運営する高知競輪も単年度収支は2年連続の赤字を計上した。「東日本大震災の影響で3月中旬に予定されていた日韓トップ選手の対抗戦が中止になった影響が大きい」(市公営事業課)。競輪ファンの減少に、高知競輪場の大幅改修に伴う借り入れ負担が加わり、累積赤字は70億6700万円まで膨らんだ。
2009年7月からナイター開催を始めた高知競馬は10年度は2500万円の黒字だが、課題は山積みだ。地場開催94日のうち90日がナイターだったため、比較的多かった昼間の利用者が減少。売り上げもネット・電話が6割を占め、「委託先への委託料がかかるため、収益は見かけほど良くない」(高知県競馬組合)という。