企業再生支援機構は29日、島根県の漁業会社、室崎商店(島根県江津市、室崎哲郎社長)の事業再生を支援すると発表した。地元自治体からは地域経済にプラスになると歓迎する声が相次いだ。
室崎商店は浜田漁港を地盤に沖合底引き網漁船団を保有しており、地元名産の一夜干しなどになるカレイやアカムツ(ノドグロ)などの漁獲・販売や冷凍倉庫業で大手。
同社は1961年の設立。石州瓦の製造・販売に参入したが、住宅着工戸数の減少や消費者の瓦離れなどで売り上げが落ち込み、2007年に製造を中止した。その後、主力の漁業部門も燃油価格高騰や船の修繕費増大が利益を圧迫し、06年3月期以降、6期連続で最終赤字が続いていた。支援機構は漁業事業を引き継ぐ新会社に出資する。
溝口善兵衛知事は同日、支援決定について「浜田地域の沖合底引き網漁業が持続可能と判断されたものと理解し、感謝している」とコメント。宇津徹男・浜田市長は「関連産業はもとより、担い手の育成や雇用確保など地域経済の発展に大いに寄与する」と評価した。