2019年1月20日(日)

JR四国、観光子会社を清算へ 施設管理の負担重く

2012/2/28付
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四国旅客鉄道(JR四国)は、2012年度中に子会社で宿泊施設運営や観光コンサルティングなどを手がけるジェイアール四国アーキテクツ(高松市)を清算する方針を固めた。これまで地元自治体などと連携して事業を進めてきたが、赤字経営が続いていた。「森の国ホテル」(愛媛県松野町)など、受託している宿泊施設や料理店の指定管理業務からは原則として撤退する。

同社は03年9月設立。JR四国が地元の観光促進や町づくりを支援する目的で設立した。地域に残る古民家の再生・観光資源化や各種町おこしイベントの企画立案などを通じ、四国の交流人口の拡大を目指してきた。従業員数は施設スタッフを合わせて約90人。

指定管理者としての宿泊施設の運営業務は人件費の抑制ができず、慢性的に赤字が続いていた。同社の10年度は4億5500万円の売上高に対し、営業損益は約3000万円の赤字。11年度も約4000万円の赤字となる見通しだ。設立以来、10年度末までの累積損失は約1億円に上る。

高速道路との競合などでJR四国本体も業績が悪化しており、清算することを決めた。コンサルティング事業についてはJR四国本体で継続するとしている。

ジェイアール四国アーキテクツの東矢英二社長は27日、日本経済新聞の取材に「これまでいろいろな(地域づくりの)種をまいてきた。それが根付いてくれればありがたい」とコメントした。

■運営委託の自治体困惑

ジェイアール四国アーキテクツにホテルなどを運営委託している四国の市町は困惑を隠せない。営業を休止したり、新たに指定管理者を募集するなど対応に追われている。同社は観光地で多くの中核施設を運営していることから四国の観光産業にも大きな影響を与えそうだ。

愛媛県大洲市が保有し、同社が運営する料理店の「油屋」は3月26日以降は営業を休止する。同店は老舗の旅館だった建物を市が買い受け、アーキテクツが3000万円かけて改装、2004年12月に開業した。

同市によると、当初の3年間の営業は好調だったが、最近では観光客の減少などで売上高は年間4000万円弱にとどまり、毎年平均180万円程度の赤字を出していたという。同市が4月に新たな管理者を募集し、早ければ7月初めにも営業を再開したい意向だ。

「森の国ホテル」を保有する愛媛県松野町は、同社に3年間運営委託したが、赤字が続いていたという。1月に指定管理者を新たに募集したところ、宿泊施設運営会社から応募があり、近日中に指定管理者とするかどうか決定する見通しだ。「3年間がんばってもらったので、撤退するのは残念」(産業振興課)としている。

同町では温泉施設の「森の国ぽっぽ温泉」も同社が指定管理者だが、5月末まで現行のまま営業を継続し、その間に新たな管理者を募集する。

高知県四万十市は、市内の「四万十いやしの里」の温泉施設「いやしの湯」とレストランを所有、アーキテクツと13年度までの指定管理契約を結んでいた。いやしの里内の宿泊施設「四万十の宿」はJR四国グループが所有し、アーキテクツが運営しているが、6月以降の運営はJR四国のグループ会社が引き継ぐ方針。

四万十市では「宿泊施設の運営を引き受ける会社が、温泉施設とレストランの指定管理契約が終了する13年度まで営業する」(観光課)としており、新たな指定管理者は募集しない方針だ。

アーキテクツは愛媛県内子町にある民間施設「下芳我邸」の料理店運営からも撤退する。

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