2019年8月22日(木)

原発安全協定、周辺自治体で要望広がる 北陸、30キロ圏中心に

2011/10/27付
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北陸の原子力発電所の周辺自治体で、電力会社に対して住民の安全確保のための「安全協定」を結ぶよう求める動きが広がってきた。県域の一部が北陸電力の志賀原子力発電所(石川県志賀町)から半径30キロ圏にかかる富山県の石井隆一知事は26日、時機をみて同社に協定締結を申し入れる考えを表明した。北陸の原発から30キロ圏には1府5県の32市町が含まれ、原発の再稼働の行方を左右する可能性もある。

原発の立地自治体が電力会社と結んでいる安全協定には、トラブルなどで停止した原発を再稼働する場合、自治体の了承が必要になる条文がある。電力会社にとっては、地域活性化への支援などで協調関係を築いてきた立地自治体のほかに、原発の固定資産税や国からの交付金、定期検査の下請け受注といった経済効果が及ばない周辺自治体にも再稼働の「拒否権」を与えることになり、原発の運転再開のハードルは高くなる。

石井知事は同日の定例記者会見で「電力会社へはいずれ安全協定をお願いすることになる」と述べた。具体的な内容などは同県の防災会議に設置されている原子力災害対策部会の議論を踏まえて詰める。

原発事故に備えた防災対策の重点地域について、国の原子力安全委員会の作業部会は20日、従来の8~10キロ圏から30キロ圏に広げる案を示した。30キロ圏にある同県氷見市の堂故茂市長は21日に、「安全協定については今後、県とともに考えていく課題と思っている」とコメントした。

志賀原発をめぐっては、30キロ圏に入る輪島市の梶文秋市長も20日に安全協定への参加を検討する意向を表明。志賀町に隣接する七尾市など3市町はすでに5日、北陸電力、石川県、志賀町の3者で締結している安全協定を見直すよう求める要請書を同電力に提出している。

原発銀座の福井県の若狭湾岸では原発がない若狭町と小浜市が「準立地市町」の連絡協議会を組織しており8月に、同協議会を通じて関西電力、日本原子力発電などに安全協定の締結を求めた。県境を越えた滋賀県の高島市、長浜市は関電と協定締結の協議に入ることになっている。

高島市は「安全協定は立地自治体と同等のものにしたい」(原子力防災対策室)、長浜市も放射能汚染が広範囲に及んだ福島第1原発事故によって「安全協定の内容を立地自治体とその他の自治体で分ける意味はなくなった」(防災危機管理課)としている。

一方、立地自治体には安全協定に関して周辺自治体と協調する動きは見られない。志賀町は北陸電、石川県との現行の3者協定に周辺自治体が同町と同じ条件で加わることには「歴史的経緯がある」として否定的な立場。谷本正憲知事も、周辺自治体と北陸電力の協議においては「志賀町の意向が一番優先されるのではないか」との見通しを述べている。

関西電力の大飯原子力発電所が立地する福井県おおい町は「周辺自治体については、県が意見を取りまとめることになっているはず」(企画課)と、若狭町、小浜市の動きに戸惑いを見せる。

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