2019年2月17日(日)

JR四国、09年度輸送収入10.3%減 過去最大の下落率

2010/4/27付
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四国旅客鉄道(JR四国)が26日発表した2009年度の鉄道輸送収入は前の年度比10.3%減の360億円となった。下落率は阪神大震災の影響で大きく落ち込んだ1994年度を上回り過去最大。高速道路の休日上限制度で利用者が自動車に流れたのが響いた。同社と四国経済界、4県などは同日、鉄道のあり方を協議する懇談会を設置、対策をまとめ国に提言する。

定期券の収入を除く普通収入は同11.4%減の313億円。瀬戸大橋線の09年度の利用者数が開通以来、過去最低の727万人に落ち込むなど本州方面が特に厳しい。前年度に比べて減った約40億円のうち、JR四国では高速道路の値下げの影響が23億円強あったとみる。新型インフルエンザの流行で外出が手控えられたことも響いた。

JR四国が30日に発表する予定の09年度決算では連結ベースで3億円の赤字を見込んでいる。今年度については「高速道路料金がどうなるのか見えず、影響を読み切れないが収入が(09年度を)上回ることはないだろう」(松田清宏社長)と厳しい見方だ。

政府が4月9日に発表した新しい高速道路の料金制度では休日の自動車利用者の多くが値上げになってJR四国に有利に働く一方、平日については値下げになるなど影響を見極めにくい。ただし6月にも始まる四国横断自動車道の一部区間の無料化実験が5億円程度の減収要因になるとみている。

この日はJR四国のほかに4県知事や学識者、四国経済界、関係当局などが参加する「四国における鉄道ネットワークのあり方に関する懇談会」が発足。JR四国の経営状態が厳しく、一部の不採算路線からの撤退までささやかれる中で、課題や役割を再検証して鉄道のあるべき将来像について国に提言する。

懇談会では四国経済連合会の常盤百樹会長を座長に選出。会の冒頭で四国運輸局の担当者が人口減少や高齢化が進み、高速道路との競合で利用者が減っている地域の公共交通機関の現状を説明。松田社長が「自助努力が限界に近付いてきたのかもしれない」と述べ、四国の列車の高速化などが必要と訴えた。

他の参加者からは「懇談会の検討対象についてなぜ鉄道ネットワークなのか、ハード面だけではなく使い勝手などのソフト面や環境問題も含めたネットワークとしてとらえないと狭すぎるのではないか」(香川大学の井原健雄名誉教授)など、総合的な交通網の在り方を議論するべきだとの意見が出た。

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