2018年6月23日(土)

埋もれた歴史遺産、観光に活用 自治体がファン呼び込み

2011/1/27付
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 埋もれた観光資源を再発掘せよ――。四国各地に点在する歴史的な遺産を自治体などが新たな観光資源に育てようとする取り組みが増えている。「歴女」と呼ばれる歴史好きの若い女性など、歴史ブームを背景に観光客が増えていることが背景。往時の姿を再現、休憩所を建設したりガイドを育成したりすることで環境を整え、魅力をアピールする。

 愛媛県の今治市波止浜の沖合1.5キロに浮かぶ小島(おしま)にある旧芸予要塞。1902年に日露戦争を想定して建設された。砲台やれんが造りの兵舎などが残されており、同市が昨年、休憩所、トイレなどを2200万円かけて建設。遊歩道も整備した。ボランティアガイドによる島内ツアーも行われている。

 配備された28センチりゅう弾砲は日露戦争の際に取り外され、二〇三高地の攻略にも使われたという。スペシャルドラマ「坂の上の雲」で二〇三高地の戦いが描かれることもあり、「坂雲」関連の観光地としてPRする方針だ。

 「石垣の城」として知られる香川県丸亀市の丸亀城は、1876~77年に取り壊してしまった櫓(やぐら)の完全復元を目指し、総額1000万円の懸賞金をかけて地域住民を中心に当時の古写真の提供を呼びかけている。個別の写真について、どれだけ再現につながるかを審議して額を決定するという。

 丸亀城の昨年1年間の来場者は歴史ブームを背景に5万3910人と、過去最高となった。丸亀藩の藩主だった京極高和はNHK大河ドラマ「江」の主人公の姉の孫で、丸亀市は大河ドラマ効果でさらに来場者増を期待している。

 四国をほぼ統一した戦国大名、長宗我部元親の居城だった岡豊城跡(高知県南国市)。城跡のほか、紀貫之邸跡など地域の歴史的遺産を観光資源として売り出そうと、昨年11月、高知県立歴史民俗資料館や地元住民らでつくる土佐のまほろば地区振興協議会が「土佐のまほろばカルチャーガイド」に地元住民ら8人を認定した。歩くコースづくりも進めている。

 徳島市は、市内に40カ所あるといわれる狸(たぬき)を祭った祠(ほこら)に関する民話や伝承をまとめた観光客向けの「祠マップ」を来年度中に作製する。徳島の六右衛門狸と小松島の金長狸が戦った「阿波狸合戦」は有名な民話で、合戦場跡とされる場所もあるという。

 四国運輸局がまとめた2010年度上半期(4~9月)の4県主要観光地の来訪客数は前年同期に比べて1.4%減の871万7422人だった。自治体としては新たな観光資源を積極的に開発することで来訪客数を底上げする狙いがある。

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