2019年1月22日(火)

駅前新施設、稼働率カギ 岡山市 大型会議誘致の課題(上)

2011/10/26付
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岡山市が参加者3千人以上の大型コンベンションの誘致拡大へ踏み出そうとしている。核になるのは会社更生手続き中の林原がJR岡山駅前に所有する土地への大型施設構想だ。2014年にはユネスコの国際会議開催も決定。駅周辺に集積する会議施設を生かし、にぎわいを呼び込む好機が来た。どんな大型施設をつくるのか、市の誘致戦略はどう変わるのか。

岡山駅(後方)に地下通路で直結する林原所有地。線路の向こうにママカリフォーラムがある

「一般的にコンベンション施設は地価の高い場所にはなじまないが、政令市である岡山市の発展に寄与できるようにしたい」(岡田元也イオン社長、7日の広島市内での記者会見で)

林原所有地を取得することが決まり、2年後にも都市型ショッピングセンター(SC)を開設するイオン。岡山市がその一部を買い取ってコンベンション施設を建設するには、イオン側の同意が前提となる。岡田社長発言の真意は何か。

会見に同席したグループ企業のトップは「稼働率の低い施設が入ると、SC全体に及ぶ影響は普通の人が考える以上に大きい。だが、都市中心部を再開発するのに行政の協力が欠かせないのも事実」と解説する。

敷地面積は4万5千平方メートルで、近接するイオンモール倉敷の3割に満たない狭さ。会議施設は入れたくないのがイオンの本音だが、許認可権を持つ岡山市の要請は断れないというのが実情だ。

大部分が駐車場(年末に閉鎖)として使われている林原所有地は03年に都市再生特別措置法に基づく緊急整備地域に「岡山駅東・表町」の一部として指定された。林原が02年に打ち出した開発構想「ザ ハヤシバラ シティ」計画が基になっており、イオンの新たな計画が容積率緩和などの優遇措置を受けるには市の協力が欠かせない。

市は交渉や許認可の窓口となる庁内組織を立ち上げ、建設する施設の概要づくりへ動き始めた。売買か賃貸か、広さ、価格などを巡る交渉は来年1月に始まるとみられる。稼働率を確保する見通しも必要だろう。

施設は3千人収容の大型会議場と分割使用できる展示場の組み合わせがたたき台になりそうだ。岡山駅周辺に広い展示場がないことも大型学会を逃す原因だった。

大型施設になるほど稼働率の確保が難しくなるが、読谷山洋司副市長は「ポップス系の音楽イベントを開けるようにすれば、稼働率も上がり、広域の集客も見込める」と設計の工夫で対応できるとの考えだ。岡山駅との近さを生かし、コンサート終了後に新幹線で名古屋や福岡に日帰りできる利点を生かす。「まずは新幹線から街に降りてもらうこと」と強調する。

70億~100億円とされる建設費についても、岡山市は行財政改革を今後も継続することで捻出は可能との考えだ。

ただ設計には制約もある。展示場は機材の搬出入に便利なように1階に設け、内部は見渡せるように天井が高く、柱のない構造にする。強度の問題から展示場の上に会議場を配置するのは難しいとの見方もある。

民間から3千平方メートル以上を望む声が強い展示場の面積を確保し、バックヤードを備え、会議場も別棟となると、かなり広い敷地がいる。基本は受け入れとみられるイオンとの交渉も、様々な条件を巡って楽観はできない。中途半端な施設にしないためには、岡山市が熱意はもちろん、大型施設を生かした発展戦略を示す必要がある。

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