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「関西イノベーション特区」医療・エネルギー集積狙う

政府は22日、新成長戦略の柱と位置付ける国際戦略総合特区として、京都、大阪、兵庫の3府県と京都、大阪、神戸の3政令市が共同申請した「関西イノベーション国際戦略総合特区」を指定した。医薬・医療、バッテリー(蓄電池)などエネルギー関連分野を軸に新技術の実用化や産業集積を目指す。地域活性化総合特区として近畿は4カ所が指定された。

「関西イノベーション特区」の全体計画には医薬品、医療機器、再生医療などの先端医療技術、先制医療(発症前の治療)、バッテリー、スマートコミュニティーの6分野で32事業を盛り込み、127項目の規制緩和・制度創設を求めている。

計画の実施により2025年の医薬品の輸出額を7800億円、医療機器を2800億円とそれぞれ10年の約4倍に拡大。リチウムイオン電池の生産額を関連システムを含めて3兆8500億円(10年は約2300億円)に引き上げることなどを目標とする。

医薬分野の目玉は新薬の効果などを審査する独立行政法人、医薬品医療機器総合機構(東京、略称PMDA)の関西での審査窓口の開設。実現すれば薬の開発に向けた審査が早まり、製薬会社の負担が軽減される。

高い技術を持つ医療機関が連携し、薬事法の承認を得るため薬などの臨床試験(治験)を手掛ける「治験センター」の設置も目指す。いずれも厚生労働省と今後協議を進める。

神戸市が進める「神戸医療産業都市構想」を後押ししそうだ。特に高度医療の臨床研究の実用化に弾みがつく。

血管や角膜の再生医療、人工心臓などの許可権限は現在、厚生労働省が持ち、医療現場での使用が欧米に比べ遅れがちとの指摘がある。規制が緩和されれば「医療現場に最新の医療技術や機器を迅速に適用できる」(神戸市医療産業都市推進本部)。

12年に本格稼働予定のスーパーコンピューター「京」を使った新薬シミュレーションや、病床数の規制緩和、外国人医師の研修受け入れの拡大を通じた国際貢献も期待される。

エネルギー関連事業の中心となるのは大阪市の人工島、夢洲・咲洲地区だ。夢洲では13年度に稼働予定の大規模太陽光発電と既存の電力網などを組み合わせた効率的な電力供給システムの実用化を目指す。このシステムを構成する超電導電力ケーブルの冷却に必要な高圧ガスの管理や、太陽光発電の電力融通などの規制緩和を求める。

咲洲では余剰電力をカセット式のバッテリーに蓄えて非常用の電源などに活用するシステムを構築。これらのシステムの海外展開を目指す。性能評価や蓄電池の活用方法の提案などをする「バッテリー戦略研究センター(仮称)」も新設し、研究・生産拠点の集積を促す計画だ。

総合特区の指定を受け、大阪府の松井一郎知事は「これからがスタート。特区の指定を最大限利用し、多くの企業に来てもらえるよう力を発揮していきたい」と話した。

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