山口に外国人観光客を呼び戻せ 韓国などのブロガーら招待

2011/8/23付
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中国地方へのアジアからの玄関口、山口県に、韓国や台湾、香港などのブロガーやテレビ局、旅行社の企画担当者らが続々、訪れている。東日本大震災の発生以来、激減している観光客を呼び戻そうという試みだ。中国運輸局は5月から「ビジット・ジャパン風評被害対策緊急事業」を開始した。上期の予算は約7800万円。秋以降は欧州などにも招待を拡大、年間400人を招く予定だ。

■番組で日本紹介

「皆さん、ここが関門海峡です。サンフランシスコに負けない素敵な眺めですよ」。瀬戸内海、日本海が一望できる下関市の火の山公園展望台で、関門橋をバックに、韓国の公営テレビ、文化放送(MBC)のリポーター、崔昊汀さんの収録が始まった。

MBCが毎夕放送する情報番組「パワーマガジン」は視聴率が10%を超す人気番組。26日から4週連続で、日本特集を放映する予定だ。

脚本家なども加え、総勢9人が来日。15日に下関入りし、下関名物のフグ刺しやフグ鍋の紹介コーナーを収録後、その足で萩焼の取材に向かった。取材は9日間。広島市のお好み焼きや福山市の鞆の町並み、岡山市の後楽園、鳥取県では鳥取砂丘、境港など中国5県全てと松山市を訪れた。23日の最終日は島根県出雲市の出雲大社と浜田市の石見神楽を見学し、福岡空港から帰路に就く。

ディレクターの申尚氣さんは「韓国でも東日本大震災、福島原発の事故は大きなショックとして受け止められた。日本のことは皆よく知っているので、中国地方に影響がないことは分かっているが、それでも正直に言うと『こわい』という感情が消えていない」と指摘する。番組では、中国地方の安全性、楽しさを徹底的に伝えたいと話す。

■中韓の回復遅れ

大震災以来、外国人観光客数は激減した。訪日外客数は4月が前年同月比62.5%減、5月が50.4%減、6月が36%減と改善してきたが、7月は36.1%と足踏みした。これは全国の数字だが、下関市と韓国・釜山を結ぶ関釜フェリーの来日乗客数を見ても、4月が78%減、5月が38%減、6月が50%減、7月が48%減という状況だ。

米国などからの観光客が比較的回復しているのに比べると、人数の最も多い韓国や続く中国からの観光客の回復の遅さが目立つ。

ビジット・ジャパン事業で5月以降にアジアから中国地方に招いたグループは8組、99人を数える。台湾や香港の旅行社や雑誌社、韓国・ソウルの有名ブロガーなど、観光回復に必死の招へい作戦が続く。中国・山東省の旅行社も来月半ばには13人で来日、今後は欧州にも招待の範囲を拡大する。

中国運輸局企画観光部国際観光課の赤木康秀課長は「2013年に観光客1500万人という国の目標は一から出直しを迫られる。今後は、海外への絶え間ない情報発信に加え、外国人を迎える地域の意識や態勢がさらに重要になってくる」と話している。

(山口支局長 藤田炎二)

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