上関原発、埋め立て免許失効も 山口県知事、6月議会で方針

2011/5/20付
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 山口県の二井関成知事は19日、中国電力が計画する上関原子力発電所(山口県上関町)の建設予定地の公有水面埋め立て免許について「失効か延長か6月議会で方針を示す」意向を示した。

 上関原発の埋め立て準備工事は、知事や上関町長が東日本大震災発生の直後に一時中断を要請、現在は全く工事が行われていない。山口県は2008年10月に中国電に埋め立て免許を出したが、期限は12年10月までだ。

 国の原子力政策が揺れる中、上関原発の準備工事が期限内に完成する可能性は極めて低く、埋め立て免許は期限を延長するか、失効するしかない状況になっている。

 二井知事は08年、反対運動が続く中で免許を交付した際、「喜んで交付したわけではなく(国からの)法定受託事務として交付した」と複雑な心情を述べた。

 福島第1原子力発電所事故を受け、二井知事は安全性の担保ともいえる原子炉設置許可が出る前に埋め立て免許を出したことについて「いったん(福島のような)事が起これば、法定受託事務とはいえ責任は免れない」との考えを示している。

 上関原発の準備工事が期限内に完工しない場合、中国電が工事期間の延長を申請し県が認めれば期限は延長できる。ただ、公有水面埋立法には「正当な事由がある場合」は延長を認めないことができるとの規定がある。

 福島原発の事故を受け、二井知事は「原発の安全にかかわる国の指針をしっかり示してほしい」と繰り返してきた。

 中国電に対する準備工事の中断要請についても「国の新たな指針が出るまで」とし、長期間の中断という認識を示している。

 仮に中国電が延長を申請しても、国の指針が固まらなければ、延長には公有水面埋立法の規定からも応じない可能性が高い。

 新指針が出るメドが立たない中、中国電が計画通りに準備工事を終わらせる可能性は低く、失効の結論が見えてくる。

 二井知事は「私は原発賛成派でも反対派でもない。国のエネルギー政策に協力し、地元の意向を尊重する」とのスタンスを示し続けてきた。

 現在、これまで機能しなかった県から国に対する安全への要望を伝える手段を確保し、国と県の権限の確認作業などを進めている。

 6月議会では、現在の上関原発計画をいったん失効させた上で、再度、新しい国の指針を踏まえたより安全な原発計画が出た時点で受け入れの検討を進める考えを示すとみられる。知事の任期は12年8月。新たな青写真を示すにもぎりぎりのタイミングになる。

(山口支局長 藤田炎二)

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