高知大など、海洋深層水で「がん増殖抑制を確認」
室戸海洋深層水から脱塩調整した高ミネラル水が、がん細胞の増殖を抑制する効果があることを、高知大学医学部と赤穂化成(兵庫県赤穂市、池上良成社長)が共同研究で確認、18日に沖縄県で開催される海洋深層水利用学会で発表する。
研究では、海洋深層水から塩化ナトリウムを取り除き、硬度を調整した5種類の高ミネラル水と精製水をマウスに2週間与え、胃がん細胞を後頭部の皮下に移植。さらに2週間継続してがん細胞の増殖抑制効果を検証した。
その結果、高ミネラル水を投与した場合、腫瘍(しゅよう)のサイズは、精製水を投与したマウスのがん細胞に比べ60~80%の大きさに抑制できたという。
高知大医学部で病態情報診断学講座を担当する竹内啓晃講師は「増殖抑制に関与するタンパクは44種まで絞り込めた。さらにメカニズムの解明を進め、タンパクを特定したい」と話している。
赤穂化成は「海の深層水 天海の水」など、高知県の室戸岬沖でくみ上げた海洋深層水を使ったミネラル水を商品化している。