2018年5月22日(火)

四国電力、原子力本部を松山移転 原発立地地域で統括

2011/4/14付
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 四国電力の千葉昭社長は13日、愛媛県庁に中村時広知事を訪ね、伊方原子力発電所(愛媛県伊方町)を統括する原子力本部を、現在の高松市の本店内から6月末に松山市内に移転する方針を示した。高松市に常駐している原子力本部長(副社長)も松山市に常駐する。東京電力福島第1原発の事故で、伊方原発周辺の住民の不安が高まっていることに配慮した。

 原子力本部の愛媛県内への移転は中村知事が3月末に、千葉社長に正式に要請していた。この日の訪問で千葉社長は、「安心安全に取り組む姿を示すことが求められていると感じ、(移転を)決断した」と説明。中村知事は「姿勢を評価したい。安堵(あんど)している」と応じた。

 松山市に置く計画の新本部には原子力本部長以下、原子力事業の企画立案から現場までを管轄する中枢スタッフ25人程度を配置する。社内の他の発電部門との調整を行う原子力部や核燃料を調達する原子燃料部は高松市の本店に残す。

 他の電力会社では、関西電力が福井県美浜町に、北陸電力が石川県志賀町に、それぞれ原発立地地域に原子力統括部門を置いている。

 愛媛県は地元との意思疎通や事故時の迅速な対応のため、これまでも伊方原発が立地する県内への原子力本部の移転を求めてきた。2005年には当時の加戸守行知事が四国電の大西淳社長(当時)に正式に要請した。

 これに対し四国電側は「組織が本社と原子力本部、伊方原発の三重構造となり、責任体制の不明確化や意思疎通の低下を招く」と拒否。代わりに原子力本部副本部長(常務)を伊方原発に常駐させ、伊方原発所長と松山支店長に役員を充てる人事で対応した。08年には松山市に原子力本部の下部組織となる愛媛原子力総合対策室などを設けた。

 しかし今回、全国的に原発への不安が高まる中、地元住民や行政の協力がなければ原発の運営は難しいと改めて認識。これまでの主張を変えてでも一層、安心の確保に取り組む姿勢を打ち出す必要があると判断した。

 移転後は、原子力本部と本店間との意思疎通が取れる体制づくりが課題となる。一時的に業務効率が落ちることも考えられるが、新体制により四国電力の原子力政策の安全性をより担保し、周辺住民の安心につなげる努力が求められる。

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