2019年9月17日(火)

南海地震へ備え急ぐ 津波被害を想定、避難所確保や機能移転

2012/3/10付
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東日本大震災から11日で1年。被災地の甚大な被害を目の当たりにした四国4県では、近い将来に発生が予想される南海地震への備えの必要性が強く認識された。太平洋に面する地域の企業は従業員の避難場所確保や高台への機能移転など対策を進める。行政と民間企業との連携も広がり、「減災」への模索が続いている。

高知市の浦戸湾沿いに立地する石油類卸販売のヒワサキ(高知市)の「中の島事業所」。今年2月、3階建て社屋の屋上に約100人の従業員が避難できる鉄骨構造の避難やぐらを設置した。

南海地震で特に懸念されるのは津波被害だ。同社は東日本大震災を受け、避難やぐらで屋上の高さを約4メートルかさ上げして、標高18メートルの避難場所を確保した。3月中に非常用のボート数隻や非常食なども常備する。

「徳島県南部では最大20メートル」――。徳島県は2月、徳島県沖でマグニチュード9.0の地震が発生した際の新たな「津波浸水予測図」を発表。震源地と向かい合う徳島県や高知県で特に対応が急がれる。

食品・酒類卸大手の旭食品(高知市)は昨年11月、本社機能を高知市から内陸の南国市の同社の総合流通センターに移した。のり製造販売の「かね岩海苔」(高知市)は、2013年秋の稼働を目指す新工場の建設予定地を、標高6メートルの本社工場の隣接地から同じ流通団地内の標高26メートルの場所に変更した。

行政任せではない、民間の活動が災害時に力を発揮するとの見方が広がっている。四国の港湾の災害対策を産官学で議論する「四国の港湾における地震・津波対策検討会議」は2月末、防波堤などハード面の強化などに加えて民間のフェリーなどを活用した緊急輸送体制をつくる必要があるとする基本方針をまとめた。

また、国土交通省四国運輸局は今月8日、災害時の物流システムについて話し合う会議で、各県の災害対策本部が連携する対象として、日本通運やヤマト運輸などが展開する四国の30拠点をリストアップした。

一方、香川県や愛媛県など津波が起こりにくいとされる瀬戸内海に面する地域では、大規模災害を想定した企業の取り組みは鈍く、事業継続計画(BCP)を策定している企業は少数にとどまる。昨年の震災発生後も、BCP自体への認知度が十分に広がっていないのが現状だ。

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