養殖マグロ増産へ官民連携 高知県・業者・漁協が4月中に組織

2012/4/10付
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高知県と県内のマグロ養殖業者、漁業協同組合が連携して養殖マグロの増産に乗り出す。「マグロ養殖振興検討会」(仮称)を4月中に発足させ、県南西部の宿毛湾地域に鮮度を保つための氷製造設備を整備することなどを盛り込む「マグロ養殖振興計画」を2012年度内に作る。国内有数の漁場を抱える立地を生かしマグロ産地を形成、地元への波及効果を狙う。

同検討会には、すくも湾漁協、橘浦漁協の2漁協と宿毛市、大月町、高知県が参加。養殖を手掛ける4社は漁協の組合員として加わる。

宿毛湾ではマルハニチロ系の大洋エーアンドエフ(東京・中央)、極洋グループのキョクヨーマリンファーム(高知県宿毛市)、松岡(山口県下関市)の3社が事業を手掛けてきた。

さらに昨年11月には水産卸の道水(北海道函館市)と大月町の事業者が共同出資で設立した道水中谷水産(大月町)が新規参入した。

検討会では、養殖マグロの生産拡大に伴い、将来不足が懸念される氷の製造設備の建設に加え、漁病対策や種苗の確保策などを協議する。

マグロの鮮度保持のためには、いけすから水揚げ直後の「冷やし込み」のほか、出荷時に発泡スチロール箱に氷を引き詰める際も大量の氷が必要で、通常マグロ生産量と同じだけの氷が必要とされている。

現状ではすくも湾漁協中央市場や養殖業者が所属する各漁協に小規模な製氷施設があり、各社は製氷施設を共同利用している。日量60トンの製氷能力があるが、他の魚種の水揚げが多くなると氷が足りないため、ある業者は隣接する愛媛県からトラックで搬入している。

道水中谷水産の出荷が始まる3年後には、さらに不足することが懸念されている。

検討会では、1年間かけて製氷施設のほか冷蔵庫などの設置場所や時期など具体策をまとめる。県内企業が開発した、氷を液状化した「スラリーアイス」を作る施設の導入も視野に入れ、今年度に小型デモ機を試験的に導入する。

高知県は昨年夏時点で県内のマグロ養殖の年間生産量を300トンと推計。15年度末までに3倍強の1000トンまで増やす目標を掲げていた。

しかし、今年3月に水産庁が公表した高知県の11年の養殖量は955トンで、県は計画目標を上方修正する方向だ。

水産庁によると11年の全国のマグロ養殖量は年間9044トン程度。宿毛湾は、冬場の水温が高く、国内でも有数のマグロ養殖に適した漁場といわれ、高知県の11年の出荷量は鹿児島県、長崎県、三重県に次いで全国4位。

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