虫歯治療の詰め物に高強度の樹脂材 山本貴金属地金と高知大

2011/7/8付
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高知県に製造拠点を持つ山本貴金属地金(大阪市、山本隆彦社長)は高知大学医学部と共同で、虫歯治療後に削った部分に詰める複合プラスチック材料の開発に乗り出す。既存品は耐久性や強度が弱く、虫歯予防に効果のあるフッ素が持続的に放出できない難点がある。2013年度をメドに高強度でフッ素を持続的に放出する樹脂材料を商品化、17年度に12億円の売り上げを目指す。

このほど経済産業省の戦略的基盤技術高度化支援事業の委託事業に採択された。研究プロジェクトチームは、山本貴金属地金と高知大医学部歯科口腔(こうくう)外科学講座の山本哲也教授のグループ。事業期間は2年間で、7500万円の委託研究費を受け、歯科医師が虫歯治療に使用する充填材料(詰め物)のコンポジットレジンの開発を進める。

近年の虫歯治療は、患者負担を可能な限り小さくするのが主流で、歯を削った部分に合わせてコンポジットレジンを成形して充填し、光照射で固める。ただ、充填後に虫歯ができやすい問題点が指摘されてきた。

虫歯を予防するフッ素を放出するコンポジットレジンは既に国内の歯科材料メーカーが生産している。既存品はフッ素を含むフィラー(セラミックなどの微粒子)に酸性の合成樹脂をコーティングし、フィラーを溶かしてフッ素を放出させる。だが強度や耐久性が弱いうえ、放出するフッ素をコントロールできない難点があった。

山本貴金属地金などは、フッ素を含むフィラーに、網目状の合成樹脂を含む3層のコーティングを施すことで、フッ素を持続的に放出し、強度のあるコンポジットレジンを開発する。試作品では、既存品に比べ強度を20%程度高めたという。

13年度に生産を開始し、当初は年間12万本を生産する計画。現在、コンポジットレジンの国内市場は関連商品を含めると約80億円あるが、17年度には12億円の売り上げを目指す。フッ素の持続的な放出と高い強度・耐久性を両立させたコンポジットレジンは国際的な競争力があるとみており、欧州など海外市場へも販路を広げたい考えだ。

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