海外ドラマのロケ誘致 香川、観光客拡大へ始動

2011/12/7付
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海外ドラマのロケを誘致し、観光客拡大の呼び水に――。香川県で官民による取り組みが動き出した。高松市の栗林公園や小豆島などをロケ地に活用し、画面を通じて魅力的な風景などをアピールする。韓流ドラマのロケ地として観光客を増やした秋田県などに追いつくことができるか。

■日中韓で放映へ

11月29日、高松市内のホテルで日本、韓国、中国の制作会社によるドラマ「フルハウス TAKE2」の制作発表が行われた。3社の代表や監督、キャストが集まり、抱負や香川県の印象などを語った。監督のキム・ジニョン氏は「香川の風景はどこにカメラを向けても絵になる。香川の素晴らしい風景をアジアの人たちに伝えたい」と話した。

「フルハウス TAKE2」は、駆け出しの女性デザイナーが男性アイドルと同居生活を送るというラブコメディー。日本や中国、タイなど18の国・地域で2004年に放映された「フルハウス」の続編で、スタッフ、キャストとも韓国人。来年の上半期に日中韓3国で放映される予定。他の幅広い地域での放映も見込まれている。

香川県は中盤の舞台として主人公たちが訪れる設定になっている。11月27日から12月4日にかけて、高松市の栗林公園や小豆島のエンジェルロードなどを舞台に撮影が行われた。香川名物の讃岐うどんの店や高松空港などの映像も撮った。

今回のロケは香川県や高松市、民間などで組織する「瀬戸の都・高松テレビドラマ誘致実行委員会」が誘致した。制作発表に駆けつけた浜田恵造知事は「高松空港には韓国のアシアナ航空や中国の春秋航空が就航している。香川県への観光客誘致につながってくれれば」と期待を寄せた。

実行委によれば、東日本大震災後に海外ドラマのロケが国内で行われるのは今回が初めてという。ロケはトラブルもなく無事終了。実行委の梅原利之会長は「高松が舞台となることで、原発事故などによる日本の風評被害を払拭したい」と語った。

実行委は昨年8月に設立した。当初誘致を予定していた別のドラマが海外の交渉先の都合で制作のメドが立たなくなるなどのトラブルにも見舞われたが、今回の撮影誘致にこぎ着けた。

海外ドラマのロケ誘致による観光活性化は日本各地で効果が出ている。韓国のアクションドラマ「アイリス」によって同国からの観光客が増えた秋田県が有名なほか、最近では鳥取県で撮影された韓国ドラマ「アテナ」で同県を訪れる韓国人観光客が増えた。

■市と県が補助金

今回のロケ誘致で高松市は1000万円、香川県は500万円を補助した。民間企業からの協賛金も合わせ、撮影やロケ費用で計2500万円を負担した。こうした投資を無駄にしてはならない。ドラマ放映後に香川や四国に実際に多くの観光客が来てくれるよう、PRはもちろん、旅行会社による旅行商品作りの支援などが必要だろう。

ドラマ効果で一時的に観光客が増えたとしても、一過性のブームに終わらせないための努力も要る。秋田県などの成功を受けてロケ地として地域を売り込もうとする動きは他にも多く見られる。競争を勝ち抜くには、映像をきっかけに香川を訪れた観光客に地域の魅力を効果的に訴え、リピーターにするための仕掛け作りが欠かせない。

(高松支局 三浦航)

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