南海大地震、被災状況を3次元予測 高知工科大

2011/9/8付
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 高知工科大学はスーパーコンピューターを使い、将来発生すると想定される南海大地震の被災予測を3次元でシミュレーションする。高知県の沿岸にある市町村を対象に、地盤の沈下や建物の倒壊、津波が襲来する経路など地域全体で想定される被災状況を把握する。自治体の防災計画の効果を評価し、大地震への対策や住民の避難計画づくりに役立ててもらう。

 6月に学内で発足した「地震・津波防災研究会」がシミュレーションする。地域連携センター長の中田慎介教授を代表に学内の専門家がチームを組む。東京大学地震研究所の堀宗朗教授や東北大学大学院の今村文彦教授も顧問に就任した。

 同大は7月下旬に約3000万円かけてスパコンを新たに導入した。1秒間に約40兆回の演算処理の能力があり、計算速度は中四国地域で最も早いという。

 シミュレーションは、被害を地域全体で予測するために東大地震研究所が開発中の「統合地震シミュレーションシステム」などを活用し、複雑な地層を伝わる振動や津波による浸水などを解析する。

 電子地図のデータに行政の協力を得て収集した個別の建物の築年数や構造などのデータも組み合わせ、建物の倒壊や火災の可能性を計算する。

 海中の断層の動きによって襲来する津波の高さを1~40メートルに段階的に設定し、建物が倒壊した街中へ津波がどう浸入してくるかなどを動画で分析する。避難経路などをシミュレーションし、地域全体の被害予測をコンピューターグラフィックスで立体的に表現する。

 2011年中は津波被害が最も懸念される須崎市の約1万3000棟の建物情報などを行政データから収集する。実地調査で情報の精度を高め、今年度末までに市域全体の被災をシミュレーションする。

 12年度は高知市を対象に実施する計画だ。3年後には高知県の沿岸市町村全域で同様のシミュレーションを実施する。

 研究会のメンバーで、建物の倒壊予測などを担当するシステム工学群の甲斐芳郎教授は「個別の建物の耐震性などではわからない地域全体の被災予測を仮想的にとらえることができる」と説明している。

 当面は既存のシステムを活用するが、今後、実績を重ね、高知工科大独自のシミュレーションシステムの開発を目指す。

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