2019年6月20日(木)

神戸ベイシェラトンを買収、ホテルニューアワジが発表

2011/12/2付
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兵庫県淡路島を中心に旅館などを展開するホテルニューアワジ(兵庫県洲本市、木下紘一社長)は1日、神戸・六甲アイランドのホテル「神戸ベイシェラトンホテル&タワーズ」を買収した。木下社長は1年間は現状のまま運営し、その後、温泉掘削や一部客室の改装にまず約5億円を投じる考えを示した。

米投資会社ローンスターのホテル運営会社、ソラーレホテルズアンドリゾーツが100%出資する「SHR神戸」の全株式を1日付で取得し、土地、建物を含めて譲渡を受けた。取得金額は明らかにしていないが、全額を金融機関からの融資で賄った。ホテル名は変えず、新設した子会社のホテルニューアワジ神戸(HNA神戸、木下学社長)が運営する。

同ホテルは客室数276室で687人を収容できる。ここ数年は赤字を計上していた。ニューアワジはインターネット販売の拡充、外国人の誘客強化、婚礼需要の掘り起こしなどを通じ、2012年12月期には黒字転換させる考えだ。

第1弾の改装計画では、平均面積40平方メートルの1室を2部屋分に広げた和洋室を2フロア分、16部屋ほど設ける。料金は1泊2食付きで3万円前後を想定。温泉掘削の可能性を探り、和の情趣を取り入れた施設に順次改装する。

ニューアワジは1968年設立。旅館やヨットハーバー、老人ホームを運営する5社でグループを形成し、10年12月期に全体で約70億円を売り上げている。今年初めに売却の打診があり、神戸市中心部に近くホテルは魅力的に映った。

今回の買収は投資ファンドの環境変化も意味する。90年代後半からファンドがホテルを購入する動きが顕在化。ローンスターグループが神戸ベイシェラトンホテルの土地、建物を購入したのは05年だった。

買収したホテルの収益性を高めて利益を得るのがファンドの手法だ。リーマン・ショック後はホテル市場が低迷。そのもくろみは崩れた。3月の東日本大震災も追い打ちを掛けた。金融機関からの資金調達も難しくなっていた。

そんな中、買収時に借り入れた資金が返済期限を迎えるなどの理由から、ファンド側は保有ホテルの売却を急いだ。円高を生かせば、損失の圧縮もある程度期待できる。05年前半の為替相場は1ドル=100円台。同77円前後の現在なら、理屈では3割以上割り増しの差益を手にできる。「売却を急いでいると感じた」。ニューアワジの木下社長は交渉をそう振り返る。

このほど旧「ニューオータニ神戸ハーバーランド」(神戸市)を含む複合施設を買収した独立系ホテル運営会社、ホテルマネージメントインターナショナル(HMI、神戸市)も、土地と建物、運営権を米ファンドから一挙に取得した。

米系ホテル投資アドバイザー会社の担当者は「ファンドが売り、ホテル業者が買う。攻守が交代した感もある」と話す。投資ファンドが席巻した時代は終わり、ホテル業界は群雄割拠の新ステージに進みつつある。

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