関西企業、相次ぎ調達多様化 原材料不足の長期化警戒

2011/6/7付
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東日本大震災の影響による素材や原料の品薄や割高感に対応し、関西のメーカーが調達先の見直しに動いている。輸入を含めた仕入れ先を拡大する動きが広がっているほか、再生原料を増やす会社も出てきた。緊急避難的な面があるものの、復興需要で需給逼迫が続く可能性があり、各社とも柔軟な対応に迫られそうだ。

大阪市に本社を置く荒川化学工業は製紙用薬品や印刷用インキ樹脂を手掛ける。原料となるインキ溶剤などの仕入れ先だった丸善石油化学の千葉工場(千葉県市原市)が震災で操業を停止した。再開に約1年かかるため、原料調達の一部を輸入に切り替えた。

大阪市のショーエイコーポレーションはフィルムを使った包装資材を製造する。フィルムの価格が上昇傾向にあることに対応し、海外調達の割合をこれまでの1割から年内をめどに5割に引き上げる。中国など海外の包装用フィルムの価格は国内に比べて安く、品質面でも問題がないという。

ワコールは下着や肌着の原料になる合成繊維の海外調達を増やす方針だ。対象にナイロンやポリエステルなどを検討している。原油価格の乱高下や震災の影響で、価格の先行きが不透明なためだ。ただ、機能性の高い素材はこれまで通り国内メーカーから仕入れる。

国内の仕入れ先を分散させる動きも出てきた。京都府に本社を置く頭髪用化粧品製造のコタは、業務用シャンプーやヘアスタイリング剤の原料の仕入れを見直した。これまで1社に絞っていた一部の原料の仕入れ先を2社以上にした。4月以降、新たな仕入れ先の原料を使った製品の試作を進めている。

調達しにくい素材を製品リサイクルで確保する例もある。インテリア大手の川島織物セルコンは塩化ビニール樹脂の回収品の利用を増やして、オフィスの床などに使うタイルカーペットを生産する。

改築中のオフィスなどからタイルカーペットを回収し、塩ビを再利用する。既に関東の一部で取り組んでいたことだが、顧客企業への呼びかけを徹底した結果、4~5月の回収率は前年より15%高まった。今後は全国に同様の取り組みを広げる方針だ。

大阪商工会議所の中川正隆経済産業部長は「大震災を機に代替生産の受注が増えており、輸入部材などを求める動きは他地域より目立つ」とみる。素材などの生産回復が遅れれば「安価なものを中心に海外調達に拍車が掛かる」(中川氏)可能性があるという。

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