2019年6月25日(火)

スペシャル

フォローする

本田圭佑、「持ってる」のは開拓者精神

2014/1/11 7:00
共有
印刷
その他

最近はやや下火だが、ここ数年のサッカー界のはやり言葉に「持ってる」というのがあった。決勝点を決めた選手を指して「あいつ、持ってる」などと言う。2010年ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会で活躍した本田圭佑(ACミラン)が「俺は持ってるな」と発言、のちに出演したテレビCMでも口にしてから本田の"持ちネタ"となった観もある。

日本代表戦で敵陣に攻め込む本田

日本代表戦で敵陣に攻め込む本田

本田は何を持っていたのか。それは言わぬが花、ただすもヤボという気分がこの流行語を包んでいたが、その正体がよくわからない。単にツキや幸運に恵まれただけなのか。あるいはツキをわがものとする意志の力、バクチの才のようなものを指していたのか。

本田は大阪・摂津の人。ガンバ大阪のジュニアユースからユースに昇格できず、その立志伝は挫折から始まった。石川・星稜高を経て、名古屋グランパスから欧州へ雄飛。ついにはミランで背番号「10」を背負うにいたった。いっときは「走れない選手」の烙印(らくいん)を押されていたことを思えば、反骨の大出世にひれ伏すしかない。

関西のスポーツ選手は越境というテーマを抱えている。それはしかし、大阪で人気のお笑いタレントが東京に活動の場を移すといったステップアップの形をとるとは限らない。関西圏の激烈な進学争いに敗れた高校球児たちは全国に散り、甲子園優勝という"リベンジ"をもくろむ。

育った地を追われた者が自らの運命を切り開いてゆくフロンティア精神。本田が旺盛に「持ってる」のはこれだろう。米大リーグへと道をつけた野茂英雄氏ら、多くのアスリートがそうであるように。越境はしばしば逆転を生む。彼らに去られ、関西に残るのは「持ってない」人ばかり?

(阿刀田寛)

[日本経済新聞大阪夕刊関西View2014年1月10日付]

「スポーツ」のツイッターアカウントを開設しました。

スペシャルをMyニュースでまとめ読み
フォローする

共有
印刷
その他

サッカーコラム

電子版トップスポーツトップ

スペシャル 一覧

フォローする
サッカー日本代表監督への就任が決まり、記者会見する森保一氏=共同共同

 サッカー日本代表の新監督に、森保一・U―21(21歳以下)監督が兼任で就くことになった。
 日本人指導者の間で監督交代がなされるのは1997年の加茂周―岡田武史以来になる。この時は監督解任に伴う継承劇 …続き (2018/7/27)

 現地時間の6月14日夜、開幕したサッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会に6大会連続出場を果たした日本代表はここにきて大きく路線を変更したようだ。本大会2カ月前になって電撃的な監督交代が断行され、 …続き (2018/6/15)

FIFAはクラブW杯を4年に1度とし、出場枠を24チームに増やす見込み(2017年大会で優勝したレアル・マドリード)=ロイターロイター

 ワールドカップ(W杯)ロシア大会を前に世界のサッカー界が揺れている。発端は国際サッカー連盟(FIFA)のインファンティノ会長が打ち出した2つの改革だ。
 まずはクラブW杯の拡大。7クラブで毎年開く大会 …続き (2018/6/14)

ハイライト・スポーツ

[PR]