2019年1月17日(木)

近畿、初の貿易赤字 スマホ輸入増、電機輸出が低迷

2014/1/28付
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大阪税関が27日発表した2013年の貿易概況は、近畿2府4県の輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支が6104億円の赤字だった。近畿の貿易赤字は比較できる1979年以降で初めて。輸出立国を支えてきた関西の産業構造は転機を迎えた。

財務省が同日発表した13年の全国の貿易収支は3年連続の赤字。近畿は電機など輸出産業が多い半面、海外から原油を輸入する製油所が少ないこともあって長く黒字を維持してきた。12年は369億円の黒字と、かろうじて輸出が多かった。

13年に赤字になったのは、円安でも輸出が伸びず、逆にスマートフォン(スマホ)などの輸入が急増したからだ。

近畿の輸出額は13年に14兆6376億円と、前年比7.8%増えた。ただ自動車や北米向け輸出の比率が低いのが影響し、伸び率は全国(9.5%)を下回った。

昨年の平均為替レートは1ドル=96円91銭と12年比22%の円安・ドル高。円安のかさ上げ分を除き、数量の増減を把握する実質輸出(2010年=100)は、昨年11月までで96.1と12年を約3ポイント下回った。

近畿の4分の1を占める電気機器の13年の輸出額は、輸出全体がピークだった07年に比べ17%も少ない。12年まで続いた円高への対応などで、生産拠点を海外に移転したことが影響している。シャープの町田勝彦特別顧問は「(部品メーカーなど)協力会社も軒並み海外に移った。今さら生産を国内に戻すのは難しい」と話す。

一方、13年の輸入は15兆2480億円と12.6%増え、過去最高を記録した。原子力発電所の稼働停止で液化天然ガス(LNG)の輸入が増えたという事情はあるが「携帯電話など、かつては国産が主役だったものが輸入に切り替わったことも大きい」(りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員)。

電気機器の輸入額は07年に比べ25%増えた。パナソニックの場合、1円の円安・ドル高は営業利益を10億円押し上げるが、50億円前後だった2000年代に比べ大幅に縮小した。白物家電など、国内向け製品の生産の海外シフトを進めてきたためだ。

アジア太平洋研究所の稲田義久研究統括は「日本の電機の競争力は全般に落ちており、14年以降の輸出急回復は難しい」とみる。関西と関係の深いアジアの景気の先行き不透明感もあり、近畿の貿易赤字が定着する可能性がある。

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