関電、不動産で収益補完 電力事業 先行き不透明

2012/1/28付
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関西電力は保有不動産の再開発を拡大する。旧本社の「宇治電ビル」(大阪市)を2014年春に13階建てのオフィスビルに建て替える。このほか兵庫県尼崎市の送電用鉄塔跡地に賃貸住宅を建てるなど、電力事業の合理化で生まれた遊休地も有効活用する。原子力発電所の停止で基幹の電力事業の先行きが不透明になるなか、関連事業で収益を補う考えだ。

不動産を中心とする生活アメニティ事業の10年度の売上高は813億円、経常利益は67億円。関電全体の約3%を占め、電力、情報通信に次ぐ事業規模だった。11年度の連結決算は原発の相次ぐ停止により大幅な赤字に陥る見通しで、電力以外の関連事業が業績を下支えする格好となる。

宇治電ビルの跡地に建てるオフィスビルの延べ床面積は約2万平方メートルで、現在に比べて6割強増やす。外部に貸し出し賃料収入を得る。宇治電ビルは1937年(昭和12年)に竣工し関電の前身の1つである宇治川電気や関電が本社としたビルで、歴史的建造物として知られる。

電力事業の営業所の集約や資材置き場の撤退などで生じた土地の有効活用も進める。兵庫県尼崎市の送電用鉄塔の跡地には3月に賃貸住宅25戸を設ける。神戸市の六甲アイランドにある発電実験施設跡地には、年内にも法人向けの施設を誘致する予定だ。

新たに土地を買うケースもある。大阪府豊中市では子会社のMID都市開発(旧松下興産)が約50億円で取得した高校跡地を活用し、13年春から600戸強の大型マンション「グランロジュマン豊中少路」を供給する。

大型案件は外部のデベロッパーと共同出資で手掛ける。大阪駅北側の再開発地区「うめきた」や、豊中市千里中央の「よみうり文化センター」の再整備に加わる。

関電は10年に策定した20年までの長期戦略で、電力以外の関連事業の売上高を08年の2倍の約6000億円に増やす目標を掲げた。昨年の震災で電力会社を取り巻く環境が大きく変わった後も、当初の長期戦略に沿って不動産を含む関連事業を拡大する方針だ。

ただ立地によっては再開発が難しい案件も出ている。大阪・住之江の発電所跡地ではパナソニックの工場増設がなくなり、土地の利用計画が宙に浮いている。

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