2019年7月19日(金)

関空、国際便数横ばい 中国路線に遅れ

2013/3/27付
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新関西国際空港会社は26日、2013年夏期(3月31日~10月26日)の国際線の運航計画を発表した。8月に迎えるピーク時の発着数は週850便と過去最高だった前年夏実績をわずかに下回る。日中関係の冷え込みで新路線の就航遅れや減便が相次ぎ、30便以上の機会損失が生じた。米ボーイングの旅客機B787型機の運航停止も影を落とす。新関空会社は予期せぬ事態に足踏みを余儀なくされた。

26日に記者会見した安藤圭一社長は「2013年度前半まで中国路線の回復が遅れることもあり得る」と述べ、両国関係の悪化による影響が秋ごろまで長引く可能性に言及した。

中国初の格安航空会社(LCC)である春秋航空は3月までに関西国際空港と上海を結ぶ路線を週7便運航する計画だったが、中国の航空当局から認可が下りなかった。関空が拠点のピーチ・アビエーションも3月末までに中国本土への就航を目指したが「認可が見通せず、就航時期は不透明」(同社)という。

既存便では中国南方航空が3月から広州、大連、瀋陽線など計17便、香港エクスプレス航空も香港線を7便減らす。新規路線の就航遅れと減便を合計すると30便を超える。方面別の便数では依然として中国が最多だが、割合は前年比3ポイント減の28%。シンガポール航空やチャイナエアラインは増便する。安藤社長は「リスク分散の観点からも、東南アジアや経済界の要望が強い欧米路線を増やしたい」と述べた。

B787型機の運航停止の影響もある。エア・インディアはB787で関空とニューデリーなどを結ぶ直行便を検討していたが、運航停止措置を受けて計画を延期したもようだ。

新関空会社は13年度の発着回数を11年度実績比23%増の28.5万回、旅客数を同20%増の3200万人とする計画を掲げているが、不透明感が強まりそう。安藤社長も「現時点で計画を見直す考えはないが、実際の着地は見通せない」と話す。

貨物便は週138便と前年夏の実績と変わらない。円高修正や株高で明るい兆しは出てきたが、関西では電機業界の低迷などで荷動きは鈍い。

ただ新関空会社は、米物流大手のフェデックスが北東アジアと北米を結ぶ一大拠点と位置付ける大型倉庫を関空の2期島で建設中。中国や韓国から集めた荷物を北米向けに積み替え、通関業務も担う。現在は週35便だが、14年春に稼働すれば便数は増える見通しだ。

新関空会社は国際旅客便や貨物便の増加で成長軌道に乗せるシナリオを描いたが、実際は日中関係の悪化やB787運航停止など外部要因に振り回された。不測のイベントリスクに左右されない収益基盤の構築が急務だ。

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