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関電株主総会「脱原発」提案など否決 自治体との議論は平行線

関西電力は26日、神戸市内で開いた株主総会で、「脱原発」や「取締役削減」などを求める29件の株主提案を全て否決した。関電は改めて原子力発電所の重要性を主張。速やかな再稼働を訴えたのに対し、大株主の大阪市や神戸市からは原発政策の転換を促す声が聞かれ、議論は平行線のまま終わった。"物言う株主"との距離に配慮しながら、関電は原発再稼働に向けた難しいかじ取りを求められそうだ。

株主提案は計29件と過去最多になった。関電株を約9%保有する大阪市は、京都市と共同で個別報酬の開示などを求める6議案を提出。大阪市単独でも取締役削減などを求める5議案を提出した。関電によると、株主提案への賛成は最高で41%に達したが、おおむね3割以下にとどまった。

最も議論が紛糾したのは、関電の原発政策について。原子力を担当する豊松秀己副社長は高浜原発3、4号機(福井県)と大飯原発3、4号機(同)を念頭に「安全性が確認された原発は速やかに再稼働したい」と主張した。また「現時点で原子炉の廃止の時期は検討していない」と強調。運転開始から30年以上経過した老朽原発についても、再稼働の可能性を探る姿勢を示した。

これに対し、意見表明に立った兵庫県の井戸敏三知事は「原発への偏りが経営環境の悪化を招いている。原発への依存度を下げるべきだ」と指摘。神戸市の矢田立郎市長も「石炭ガス化複合発電(IGCC)や水素を利用した発電など新しい技術をもっと使うべきだ」と注文した。

個人株主からは、関電が新規制基準の対応を巡り、原子力規制委員会から批判を受けたことについて、「安全を軽視する態度で許されない」との声が聞かれた。

総会後に記者会見を開いた八木誠社長は、自治体などの指摘について「真摯に対応する」としたうえで「経営方針に理解を賜るよう努める」と述べるにとどめた。新エネルギーの普及拡大に取り組む意向は示したが、具体策の明言は避けた。

現時点で事業者と株主との見解の隔たりを埋める道筋は見えていない。「毎年総会に参加しているが、今回が一番つまらなかった。結論ありきで発言者が好き勝手に話しているだけだった」(60代の男性株主)と冷めた意見も聞かれた。

総会の注目度も低下している。今年の出席者は1269人と過去最多だった昨年の3842人から大幅に下回った。昨年出席した大阪市の橋下徹市長が、出席を見送ったことが影響した。

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