2018年11月17日(土)

IT企業、大学に商機 学内無線LAN・地域密着型SNS

2011/9/23付
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関西の大学がIT(情報技術)企業と組んで、新しい情報システムを導入する動きが広がっている。桃山学院大学(大阪府和泉市)は通信大手ケイ・オプティコム(大阪市)と提携し、学内外で無線LANサービスを使えるようにする。兵庫県立大学環境人間学部(姫路市)は地域密着型交流サイト(SNS)の運営を始めた。12月から本格化する就職活動などに向けて情報取得力が重要であることから、大学のIT活用に一段と拍車がかかっている。

桃山学院大はケイ・オプティコムの無線LANサービス「Wi―Fi」を通じてインターネットに接続できる専用ID8300個を全学生と全教職員に配布する。図書館や部室棟などで無料でネットに接続できる。校外でも同社が設置した約1万カ所のWi―Fi拠点でネット利用が可能だ。こうした取り組みは関西では初めてという。

講義の開講状況など大学情報のほか、就活情報などをリアルタイムで確認できるようになる。利用料金は大学の負担のため、学生は料金を気にせず、情報取得が可能だ。従来は通信費用を支払える学生とそうでない学生の間で情報格差が生じるケースもあったという。

ケイ・オプティコムにとっては、大学で同社サービスを使った学生を、卒業後にも顧客として囲い込める利点がある。

兵庫県立大学環境人間学部は、システム開発ベンチャーのグローバルITネット(神戸市)と組んで、地域密着型SNS「姫路ポータルサイト」の運営を始めた。地元企業の就職情報を提供するほか、大学の生活協同組合や地元商店とも提携して学生生活を支援する。

グローバルITネットがシステムを提供し同学部のエコ・ヒューマン地域連携センターが募った学生ボランティアが運営する。初年度で1000人以上の登録を目指す。

大谷大(京都市)は文学部人文情報学科の2011年度在籍者全員に米アップルのタブレット端末「iPad(アイパッド)2」を無償配布し、教育に活用し始めた。端末を通じて講義の出欠を確認したり、テキストを共有したりできる。教員が講義中に実施した小テストの結果を端末で確認するなど、「ITの導入で教育プログラムを刷新する」(同大)。

近畿圏で先進的なIT導入で知られる立命館大学(京都市)は、京都府や滋賀県の3キャンパスに約600の無線LANスポットを設置済み。今年4月からは図書館にネット接続した情報端末を使いながら議論できる専用スペースを設けた。

大学がIT導入を加速するのは、学生にIT機器・サービスの活用能力を獲得させるためだけではない。大学教育の質の低下が指摘されるなか、「教員から学生への一方通行型の情報伝達を見直す時期が来ている」(公益社団法人・私立大学情報教育協会)として、双方向の情報交換による教育の充実を目指しているからだ。就職活動への対応も含め、学生の満足度を高める狙いもある。

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