2018年9月20日(木)

「関空」業績、苦心の浮上 11年3月期、経常益9割増予想

2010/5/20付
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 関西国際空港会社の業績が着実に回復している。19日、赤字予想だった2010年3月期の経常損益が9億円の黒字になったと発表。今期は9割の経常増益を予想する。貨物便増加や格安航空会社就航が底上げする中、収益の柱は免税店での物販など「非航空系」にシフト。福島伸一社長の出身母体であるパナソニック流のコスト削減策も効いてくる。ただ補給金頼みの経営体質は変わらず、伊丹との経営統合策などの先行きが中長期的な経営を左右する。

 11年3月期の連結業績は、売上高が微増の865億円、経常利益は87%増の17億円を見込む。4月の国際線外国人旅客が過去最高になるなど足元の回復傾向は鮮明。エアプサン(韓国、4月就航)やジェットスター・アジア航空(シンガポール、7月就航予定)など格安航空が新規就航するのも追い風だ。

中国人客に期待

 ただ収益の軸は非航空系に移りつつある。着陸料など航空系収入は貨物便などが着実に回復する一方で、日本航空の減便・運休の影響が大きく、減収となるもよう。大幅な着陸料値下げによって、増便や新規就航が収入拡大に直結しにくい面もある。

 福島社長はこの日の記者会見で「非航空系収入を伸ばしたい思いが強い」と意気込んだ。

 3月に出国エリアの商業施設「エアサイドアベニュー」が新装開業。直営免税店を拡充する中で、7月には中国人向け観光ビザ(査証)の発行要件が大幅緩和される。発行対象が従来の10倍規模に広がり、空港内でも電気炊飯器や粉ミルクなど、中国人に人気のある日本製品の売り上げ拡大に期待が高まる。

 パナソニック流の徹底したコスト削減も増益の背景だ。「コスト削減に終わりはない」(福島社長)のかけ声の下、昨年12月からは専任スタッフを置いてグループ全体を挙げてのムダ取り活動を開始。今期は営業費用を18億円(2%)削減する。

重い利払い負担

 収益面での改善が進む一方で、財務体質は厳しい状況が続く。10年3月期末の有利子負債残高は6%減の1兆523億円。連絡橋道路部分の売却で得た資金を債務返済に充て651億円減少したが、依然高水準であることに変わりない。有利子負債の減少に伴い、前期の支払利息は8%減の209億円だった。

 関空会社が今回発表した業績予想は、政府からの補給金75億円の支給が前提。補給金がなければ大幅な経常赤字は避けられず、補給金頼みの経営状態が続く。

 国交省は伊丹と経営統合させた上で、事業運営権を売却する関空強化案を実現させる方針で、来年度以降も補給金が支給されるかどうかは同案の進展次第とみられる。関空会社の経営は、こうした動向に今後も左右されることになりそうだ。

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