2019年6月25日(火)

関空、全日空の格安航空専用ターミナル建設を検討
格安航空会社誘致に弾みも

2010/9/10付
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全日本空輸が関西国際空港を拠点にした格安航空会社(LCC)の設立を決めたことで、関西国際空港会社のLCC誘致に弾みがつきそうだ。専用ターミナル建設の検討に入り、参入航空会社のすそ野の拡大を目指す。来年度には関空の国際線旅客便数のうち格安航空便のシェアは1割を超える見込み。ただ財務内容が厳しい中で、実現には設備投資の効率化などが求められそうだ。

全日空の発表を受けて、関空会社の福島伸一社長は「専用ターミナルの整備などを通じて実現に協力する」と表明した。内装や設備を省略したターミナルを造り、低コストの運航を支援する。来年度の着工を視野に全日空などと仕様の調整に入る見込み。国内空港で初めての試みで、海外の格安会社にも利用を求める考えもありそうだ。

日本航空の減便などに直面した関空は(1)国際貨物の拡大(2)LCC誘致――の二本柱で国際拠点(ハブ)空港化を目指してきた。すでに韓国・済州航空、エアプサンなど海外LCC5社が乗り入れた。全日空系のLCCは当初、週30~40便程度運航するとみられ、関西空港の発着便に占める全LCCのシェアは1割を超える。

アジアではシンガポールのチャンギ国際空港がLCC誘致で成功し、LCCシェアは旅客数ベースで約2割に達している。関空は今後、全日空などと共同で利用のプロモーション活動を展開したり、東南アジアを中心に新たなLCCを誘致したりすることで、LCC拠点として存在感を高める戦略だ。

関空のみを"母港"とする航空会社は今回が初めて。新会社が大きく伸びれば、乗り換え需要などを通じて、LCC以外の航空便の需要増につながる可能性はある。

ただ課題は乏しい財務余力。例えば専用ターミナルは設備仕様にもよるが、投資額は30億円前後とみられる。ターミナル建設費としては低い金額だが、1兆円を超える有利子負債を抱える関空会社には重くのしかかる。

加えて着陸料の値下げが求められるのも必至だ。関空会社は新規就航便について、来年3月まで着陸料の実質無料化策を打ち出し、LCCを誘致してきたが、その延長策も打ち出せるか不透明な情勢。ターミナル建設費の支援を国に仰ぐのかといった調整が今後本格化しそうだ。

関西では神戸空港も日航撤退の穴を埋めようと新規就航便の誘致を急いでいる。全日空系LCCと競合する可能性のある神戸空港は「影響があるか見極める」(神戸市空港事業室)という。関空のLCC戦略は関西の空港間の競争にも影響しそうだ。

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