2019年1月24日(木)

JR西、神戸線に新駅設置 沿線価値向上へ開発攻勢

2010/10/7付
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西日本旅客鉄道(JR西日本)は約40億円を投じて、JR神戸線の六甲道―灘駅間(神戸市、2.3キロメートル)に新駅を設ける方針を固めた。住宅地として人気のある地域に駅を造り、大規模分譲マンションなど駅周辺の開発も促すことで、鉄道利用の拡大を目指す。競合する阪急電鉄や阪神電気鉄道も利用客を奪われないために対策に動き出しそうだ。

新駅の建設予定地は東灘信号所。駅舎が線路をまたぐ橋上駅とする予定だ。駅名は「摩耶(まや)駅」を軸に検討し、2016年春の開業を目指す。地元自治体の要望に基づく「請願駅」でなく、建設費のほぼ全額をJR西日本が負担する。

三井不動産レジデンシャル(東京都)は新駅と直結する分譲マンション(約730戸)を建設する計画だ。新駅は三ノ宮駅までの所要時間が5分以内で済むとみられ、新駅の開発で周辺の再開発が進む可能性がある。

同じJR神戸線で07年3月にさくら夙川駅(兵庫県西宮市)を開業した際には「新駅が契機となり、地域の利便性が高まって活性化した」(地元の不動産関係者)。同駅の乗降客数は事前予想を約13%上回って推移している。阪神間は住宅地として人気が高い。JR西日本は新駅を造れば、新たな利用客を呼び込む効果が大きいと判断した。

阪神間以外でも関西では新駅が相次いでいる。JR西日本が08年に島本駅(大阪府島本町)と桂川駅(京都市)を開業。阪急電鉄は3月に摂津市駅(大阪府摂津市)を設けた。

背景には関西が人口減時代を迎え、鉄道各社とも新たな需要喚起策を迫られていることがある。JR西日本、阪急電鉄、阪神電鉄などの輸送人員数はここ数年、低迷が続いている。近畿日本鉄道と京阪電気鉄道は11年から12年にかけ、運転本数の削減に踏み出す。

一方、JR西日本の新駅戦略は鉄道路線間の競争を激しくしそうだ。ある私鉄幹部は「資金力で勝るJR西日本に新駅を次々と造られたらひとたまりもない」と話す。

例えばさくら夙川駅の開業で近隣の阪急夙川駅と阪神香櫨園駅の利用者が流出し、年3億円の減収につながった。新駅をにらみ、阪急阪神ホールディングスは対策を迫られるのは必至だ。すでに傘下の神戸高速鉄道(神戸市)と経営一体化に着手しており、駅管理や鉄道保守業務を効率化し、顧客サービスの向上につなげる。

有力鉄道会社が新駅や既存のネットワークを活用したサービスの向上を競えば利用者の利便性が高まりそうだ。周辺の開発で遅れ、魅力に乏しい路線を抱える鉄道会社は一段の運転本数の削減などを迫られそうで、鉄道会社間の成長力に格差が広がる可能性もある。

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