2019年1月19日(土)

元特捜部長らに有罪判決 懲役1年6月執行猶予3年
改ざん事件で大阪地裁

2012/3/30付
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大阪地検特捜部の捜査資料改ざん・隠蔽事件で犯人隠避罪に問われた元特捜部長、大坪弘道被告(58)と元副部長、佐賀元明被告(51)の判決公判が30日、大阪地裁で開かれた。岩倉広修裁判長は「2人は、改ざんが証拠隠滅の罪に当たることを認識していた。事実をすり替えようとした犯人隠避の共謀が成立する」としたうえで、2人にいずれも懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)を言い渡した。2人は無罪を主張していた。

佐賀元明被告

佐賀元明被告

大坪弘道被告

大坪弘道被告

検察への信頼を根幹から揺るがした一連の事件は、捜査資料を改ざんした元検事も合わせ、起訴された3人の元検事がいずれも有罪認定される前代未聞の事態となった。

元部長と元副部長は2010年2月、郵便料金不正事件の主任だった前田恒彦元検事(44)=証拠隠滅罪で実刑確定、服役中=が証拠品のフロッピーディスク(FD)のデータを意図的に書き換えたと知りながら、同僚検事らに口止めし、当時の地検トップに虚偽報告したとして起訴された。

公判の最大の争点とされたのは、元検事によるFDデータの書き換えを2人が「故意」と認識していたかどうか。中でも、最高検側が「元検事が元副部長に初めて故意の改ざんを告白した」とする10年1月30日夜の電話については、その有無を巡っても双方が争った。

最高検側は公判で、元検事や、電話の場に立ち会ったとされる別の検事らを証人申請。「元検事が故意に改ざんしたことを2人は認識していた」との主張に沿う証言を引き出し、論告では「2人は組織防衛、自己保身のために隠蔽行為に及んだ」と厳しく指摘した。

元副部長は「1月30日に元検事と電話しておらず、後日、『データを誤って書き換えたかもしれない』と聞いた」と反論。元部長も「『過失』との報告を信じた」とし、「最高検のストーリーは破綻している」と批判していた。

当時の通話記録は残っておらず、物証は元副部長の執務記録などわずかだった。2人は捜査段階での供述調書の作成に一切応じず、法廷での供述や証言の信用性と執務記録などの証拠を裁判所がどう評価するかが焦点となっていた。

一連の事件を受け、当時の大林宏検事総長ら検察幹部が引責辞任。再発防止のため、特捜部の体制見直しや取り調べの録音・録画(可視化)が一部導入されるなど、検察改革が進められている。

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