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南海トラフ、大阪の死者最大13万人超 国想定の13倍

府が人的被害想定を公表

(更新)

大阪府は30日、「南海トラフ」を震源域とする巨大地震による府内の人的被害の独自想定を公表した。死者は最大13万3891人で内閣府想定(9800人)の13.6倍に達した。防潮堤の沈下などを想定し、府が8月に津波浸水域を内閣府の約3.6倍と見込んだためだ。通勤や通学で昼間の人口が多い地域も浸水、津波避難者は最大106万人超で、避難施設や水や食料などの備蓄の確保が課題になる。

地震のマグニチュード(M)は最大級の9.1とした。府防災会議の検討部会が想定する地震発生時間は「冬の夜(午後6時)」と「夏の昼(正午)」の2通り。内閣府と同様、津波で1メートル浸水した地域の死亡率が100%になると仮定し、地震発生5~10分以内に住民らの100%が避難を始める場合と、30%が津波到達まで避難しない場合を検討した。

その結果、冬の夜で30%が津波到達まで避難しない場合の死者数が最大で、府の夜間人口の1.5%に相当する13万3891人に上った。地域別では大阪市西区が2万248人と最も多く、同西淀川区の1万9729人、地震発生から約2時間で最大2メートルの浸水となるJR大阪駅周辺を含む同北区の1万6205人など中心部での被害が目立った。

ただ死者の大半は津波が原因で、地震発生からすぐに避難すれば津波による死者はゼロ、防潮堤の沈下などによる死者も8806人まで減ると想定する。府危機管理室は「大阪にはすぐに津波が来ないと油断せず、地震後は即避難することが重要」と訴える。

津波に備えて避難し、食事や毛布の提供など何らかの救助が必要な人数は夏の昼で最大106万5761人。多くは命に別条がなく、津波警報解除後は救助が不要になる近隣住民らも含むが、帰宅困難者らに対する大量の食料備蓄なども課題になる。

建物の被害は全壊が17万9153棟で国想定の34万4300棟から半減。府想定では独自の地盤データを加味した結果、国より震度が低くなると見込んでいるためだが、それでも府内の建物の約7%が全壊する。国が試算していなかった半壊は火災を除いた合計が45万8975棟に達した。

建物の倒壊などで救助が必要になる人数は冬の夜で最大3847人。火災は府内で272カ所で発生すると想定。住民らの初期消火などがあっても15カ所から燃え広がると見込み、最大6万1473棟が全焼、同176人が死亡、3526人が負傷する。

防潮堤沈下による浸水は地震直後に発生するため避難が間に合わないケースもあることから、府は「防潮堤などハード面の強化が必要になる可能性がある」としている。

府は年内にも電気や水道、ガスのライフラインや経済的な被害の想定をまとめる予定。

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