2019年9月17日(火)

インサイド/アウトサイド

フォローする

阪神・加藤、13年目の復活 前向き貫き中継ぎで奮投
スポーツライター 浜田昭八

(1/2ページ)
2013/8/4 7:00
共有
印刷
その他

過去の名声を引きずり、現実を直視しない人間に道は開けない。大学野球で活躍し、2001年に「逆指名」でロッテに入団した加藤康介投手(35)。大小の故障と2度の戦力外通告を乗り越え、プロ13年目で4球団目となる阪神で貴重な中継ぎ投手としてよみがえった。「前向きに生きる」が信条だ。

今季は勝ちパターンでも登板

救援失敗は自責の念が何倍にも膨らむ。前半戦最後の巨人戦での加藤がそうだった。3点先行するも、七回に一挙8点を奪われて逆転負けした7月16日。2点差の1死二、三塁で先発スタンリッジを救援したが、代打矢野謙次に初球を同点二塁打とされた。

「ボクのせいで展開が変わった。チームにも他の投手にも迷惑をかけた」と涙声で話した。先発の白星をフイにして、継投の手順も狂わせた。加藤の1球降板で登板が早まった安藤優也、筒井和也も打たれた。ぶざまな敗戦の責任を、一人で背負ったかのように加藤はしおれた。

だが、連投、3連投が当たり前の中継ぎ投手は、沈んだままでいられない。もともと気持ちの切り替えは早い。和田豊監督も「加藤ら中継ぎ陣への信頼は揺るがぬ。あすも使う」と明言した。その通りに翌17日、加藤は高橋由伸を三振に仕留め、巨人に傾いた流れを断った。

昨季の加藤は救援で41登板したが、"負けパターン"での中継ぎが多かった。今季は藤川球児の渡米、榎田大樹の先発転向があり、救援陣が再編成された。新ストッパーの久保康友の調子が上がらず、混乱が続く中で加藤は"勝ちパターン"でも起用された。

「気持ちで負けない」強気の投球

この苦肉の起用の中で実績を残した。同点やリードした試合で中継ぎが好投すると、「ホールド」が記録される。ストッパーの「セーブ」ほど注目されないが、継投策の成否のカギを握る。6月から7月にかけて、加藤は自身の3登板、5登板で続けざまにホールドをマークし、継投策の潤滑油になった。

人柄は穏やかだが、速球を中心にした投球はいたって強気。左打者に対する起用が多いが、右打者にスイッチされても左腕特有のクロスする速球で大胆に攻める。「だれに対しても、気持ちで負けないと向かっていく」と言う。トレードマークのサングラスを光らせて登板すると、期待の拍手が湧くようになった。

  • 1
  • 2
  • 次へ
共有
印刷
その他

プロ野球コラム

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップスポーツトップ

インサイド/アウトサイド 一覧

フォローする
4日の広島戦で左越えに通算200号となるサヨナラ満塁本塁打を放つ山田哲=共同共同

 同一シーズンで打率3割、30本塁打、30盗塁の「トリプルスリー」を3度達成しているヤクルトの山田哲人が新たな金字塔に挑んでいる。プロ野球史上、誰も到達したことがない40本塁打、40盗塁の「フォーティ …続き (9/10)

15日の西武戦はロメロの2本塁打など20安打20点と大勝した=共同共同

 オリックスがスタイルの変貌を遂げつつある。開幕した頃は先発の駒がそろった投手陣が打力不足をカバーする「投のチーム」だったのが、シーズンが深まり夏場に入ると力関係が逆転、今や「打のチーム」の印象が強く …続き (8/27)

身長193センチ、体重105キロの大型左腕・弓削は開幕前から「和製ランディ」と称された=共同共同

 何とか勝率5割を割ることなく、パ・リーグの上位争いに食らいついている楽天。昨季最下位からの上積みは効果的な戦力アップによるものだ。フリーエージェント(FA)移籍の浅村栄斗はもちろん、新外国人のジャバ …続き (8/13)

ハイライト・スポーツ

[PR]

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。