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大阪都構想推進の本丸「府市統合本部」27日発足

水道・交通、最優先に

大阪ダブル選の投開票から1カ月となる27日、府市の二重行政解消を目指す「府市統合本部」が発足する。本部長は松井一郎知事、副本部長は橋下徹市長が務め、水道事業統合や市営地下鉄改革など大阪都構想で描く広域行政の一元化への動きが本格化する。一方、文化や教育も含めた多岐にわたる課題を同時並行で扱うだけに、協議の行方を不安視する声も聞こえてくる。

「一本の組織で広域行政をやる」。ダブル選で勝った直後、橋下市長は府市統合本部の年内設置を宣言した。大阪市の最高意思決定機関として新設した「戦略会議」を23、24両日に開催、府市で重なる事業を統合本部の検討課題とするよう次々と指示。少なくとも数十の事業の見直しを統合本部で進めると決めた。

統合本部の事務局は大阪湾岸にある府の咲洲庁舎(大阪市住之江区)に置かれ、府職員15人、市職員10人で構成。元経済企画庁長官で作家の堺屋太一氏や、経済産業省を退職した古賀茂明氏らが顧問に就任する。

真っ先に議論するのが二重行政の見直し。橋下市長が率いる地域政党「大阪維新の会」が選挙公約に掲げた政策のうち「暮らしに近く、改革の成果が見える」(維新幹部)として、(1)市の水道事業と大阪広域水道企業団の統合(2)市営地下鉄の料金下げや延伸(3)市バス事業の経営合理化――の生活インフラ3事業が最初の課題となる。

国への提案検討

二重行政を巡っては、府立大・市立大や公立病院の経営統合、ごみ事業や消防の一元化など、計10項目前後の課題について統合本部で事業形態の見直し案をまとめる。

統合本部では、都構想実現に必要な制度設計や国への提案内容も検討。補助金を出す交響楽団のあり方や、前市長が目指した市立近代美術館構想も「成長戦略に関わる課題」とする。教育行政への首長の政治関与を強める教育基本条例案や東日本大震災で生じたがれきへの対応も対象となる。

インフラ整備など統合本部で議論した広域行政に関わる事業は、将来的には市の事業も府に移管して一元化するのが狙いで、橋下市長は「上司は松井知事だと思ってください」と戦略会議で市幹部に呼び掛けた。

本部万能懸念も

松井知事は年明け以降、週に3回、橋下市長も週に1回程度咲洲庁舎に出向くと公言。"咲洲シフト"を鮮明にしているが、課題が幅広いだけに、府幹部や議会からは「『統合本部万能主義』のようになって、課題をさばき切れるのか心配」との声が漏れる。

都構想を巡る統合本部の役割は、府市の行政レベルで構想実現に向けた方向性や具体案をまとめること。松井知事と橋下市長は来年の2月議会に都構想推進協議会の設置条例案をそれぞれ提出する方針。協議会では議会の代表も入り、区割りや税財源調整などが正式に意思決定される見通し。

27日午前の統合本部第1回会合について、府市の担当者は「知事、市長との事前打ち合わせは皆無で、いきなり本題に入る可能性も十分ある」と身構えている。

▼協議参加留保の堺市の動向に注目 論議の進捗に影響も

府市統合本部では、協議への参加を留保している堺市の動向にも注目が集まっている。大阪都構想では、堺市も大阪府、大阪市との統合の対象とされており、松井一郎知事はすでに竹山修身・堺市長に参加を要請。水道事業統合など堺市が重要な役割を担うテーマもあり、堺市の動向が協議のスピード感に影響を与えそうだ。

「統合本部で意見を聞かせてほしい」。松井知事は今月中旬、堺市の竹山市長に統合本部への参加を要請。堺市内にある府立大の経営統合や、堺市への延伸も含めた市営地下鉄のあり方が議論される方針を伝えたが、竹山市長は回答を留保した。

竹山市長は水道事業の統合対象となる大阪広域水道企業団のトップ。水道統合は立ち上げ直後から議論される見通しで、早々に堺市が当事者になる可能性が高い。

統合本部の事務局長となる山口信彦・府大都市制度室長は「府と大阪市だけでは進まない話も出てくる。堺や市町村との関係をどう整理するか、走りながら考えていく」としている。

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