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維新対自民、戦いは続く 都構想「次は堺市長選」

「次は堺市長選だ。維新は選挙に次ぐ選挙。きっちり活動したい」。21日午後8時すぎ、参院選大阪選挙区で当選を決めた日本維新の会の東徹氏(46)の当選会見。冒頭、万歳三唱すら待たずに場内に響いた府議の今井豊副代表の掛け声は、激戦の末にトップ当選が確実になった勝利の余韻を打ち消した。

同じころ自民の柳本卓治氏(68)の陣営も2番手での当選が濃厚になり、「祝杯はあげられないムードだった」(幹部)。改選4議席の1、2着が素直に当選を喜べない。激戦区は異様な雰囲気のまま戦いを終えた。

全国的には経済政策などが争点になった今回の参院選だが、大阪では府政市政の主導権争いを巡る政治決戦の様相を呈した。地方議会の"代理戦争"とも言うべき選挙戦を仕掛けたのは、自民の柳本氏。府議会、大阪市議会で自民と維新が真っ向から対立するテーマを持ち出し、しきりに維新が唱える「大阪都構想」への反対を訴えた。

維新が過半数を持つ府議会で自民は公明に次ぐ3番手。安倍晋三政権の経済政策アベノミクスを追い風に参院選の大阪選挙区で圧勝し、都構想にも「民意はノー」だと印象づける狙いがあった。

自民府議団は6月下旬、2015年の統一地方選に向けた候補擁立を進める選挙対策委員会を早々に設置。参院選後に向けた布石を打った。10年に自民から大量離脱した維新議員に自民への復帰をちらつかせてゆさぶり、統一地方選を有利に進めたい思惑もあったとみられる。実際、ある維新市議は「もし大阪で自民に負けていたら、大量の離脱者が出る可能性があった」と振り返る。

維新の側にも笑顔はない。橋下徹共同代表は21日、大阪選挙区の結果が都構想への信任とみるかを問われ「否定はされていないが完全な信任ではない」と言葉を濁した。昨年の衆院選の府内の比例代表で自民に付けた約60万票の差は今回、約16万票弱まで縮まった。

都構想の具体的な制度設計を議論する府市法定協議会は8月9日に開かれ、事務局案が提示される見通し。自民は今後、キャスチングボートを握る公明に対し「中央で自民と連立しているのに、地方で維新と協調するのはおかしい」(柳本氏)として共同歩調を取るよう求める構えだ。一方、橋下氏は21日夜、「公明は是々非々で対応してくれる。選挙の影響はないと思う」と語った。

さらに、都構想を巡って維新と自民が正面からぶつかる堺市長選が9月29日に迫る。維新は「堺市の参加なしに都構想は完成しない」と訴えているが、再選出馬を表明した竹山修身市長は都構想に反対の立場だ。

竹山氏は投票日前日の20日、堺市内で街頭演説した柳本氏の激励に訪れ、自民との連携をアピールした。一方の維新は告示まで2カ月を切っても公認候補は未定。堺市議、府議、国会議員らの名前が浮上しては消え、出遅れ感は否めない。参院選の比例区の得票を堺市内に限って分析すると、維新の約10万票に対し、自民は約8万票で維新の強さは続く。

維新が大阪再生の切り札と位置付ける都構想を巡っては、具体案の説明を求める府民市民の声も多い。だが、議会で丁寧な議論が進んでいくかは不透明だ。東氏に敗れた21日夜、柳本氏の選対幹部はつぶやいた。「大阪夏の陣はまだまだこれからが正念場だ」

国政レベルでは自民、公明の与党が参院選で圧勝し、安定政権への土台ができた。一方、市議会で維新が過半数を持たない大阪の議会では政治安定の兆しは見えない。都構想の行方など、大阪の今後を探る。

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