2019年2月19日(火)

郵便不正事件、団体元幹部に逆転無罪 大阪高裁
「自白誘導の可能性」と指摘

2012/3/22付
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郵便料金不正事件で有印公文書偽造などの罪に問われた自称障害者団体「凜(りん)の会」元幹部、河野克史被告(71)の控訴審判決で、大阪高裁(的場純男裁判長)は22日、「(一審が認めた)共謀関係は認められない」として、虚偽有印公文書作成・同行使罪で有罪とした一審判決を破棄し、無罪(求刑懲役1年6月、執行猶予3年)を言い渡した。

的場裁判長は判決理由で、河野被告が一審段階で起訴内容を大筋で認めていたことについて、「取り調べを受けた検察官から『身柄拘束が長引くかどうかは態度次第』と言われ、自白を誘導された可能性がある」と指摘した。

2010年5月の大阪地裁判決は、河野被告が04年、上村勉・元厚生労働省係長(42)=有罪確定=らに働き掛け、実体のない凜の会を正規の障害者団体と認める偽の内容の証明書を作成したと認定。「自白」の信用性も認め、執行猶予付きの有罪判決を言い渡していた。

河野被告は、ともに起訴された村木厚子・元同省局長(56)の無罪確定後、一転して無罪を主張。検察側は控訴審で、起訴内容から元局長との共謀部分を除いた形で「訴因変更」を求め、同高裁が認めていた。

的場裁判長は「被告と上村元係長は接点が少なく、発行される証明書が内容虚偽だとの認識を共有していたとするには合理的な疑いが残る」と指摘。共謀の成立を否定した。

今年1月に大阪地裁で言い渡された上村元係長の判決では、文書偽造は元係長の単独犯行と認定されていた。

判決後に記者会見した河野被告は「検察は善良な国民を安心して生活させるのが本来の役目。基本を改めて考えて取り組んでもらいたい」と注文を付けた。

大阪地検特捜部が手掛けた同事件では、起訴された4人のうち村木元局長ら3人が無罪となり、上村元係長だけ有罪が確定した。

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