特集「大震災 再生へ」内の記事のうち、福島原発事故関連の記事は特集「福島原発 遠い収束」に、被災地の復興に向けた記事は特集「震災復興」にそれぞれ移転しました。

「阪神」が生んだNPO、東日本支援を息長く(震災取材ブログ)
@神戸

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2013/10/9 9:35
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1995年1月の阪神大震災を機に立ち上がり、被災した独り暮らしのお年寄りの見守り活動などを続けてきたNPO法人「よろず相談室」(神戸市東灘区)が、東日本大震災の被災地に月1回のペースで通い続けている。「忘れていないよ、と伝え続けることが何より大切」。そう語る理事長の牧秀一さん(63)は専任講師を務める地元・神戸にある保育士養成の専門学校に7月から「よろず相談室・分室」を設け、将来を担う若い学生に見守り活動の大切さを伝え、息の長い活動を目指している。

よろず相談室で学生らに被災地の説明をする牧秀一さん(写真右、神戸市東灘区)

よろず相談室で学生らに被災地の説明をする牧秀一さん(写真右、神戸市東灘区)

よろず相談室は阪神大震災直後、避難所に手作りの新聞を届け始めたことがきっかけで生まれた。仮設住宅でも巡回に力を入れ、震災から18年以上がたつ今も、復興住宅での独居老人を訪問して孤独死を防ぐ見回りを続けている。近年は、震災で倒れた家財などの下敷きになり身体に障害を負った「震災障害者」の声を行政に届ける活動にも精力的に取り組んできた。

東日本大震災でも発生直後から牧さんらはたびたび現地を訪問。宮城県石巻市や気仙沼市の仮設住宅に通って、高齢者とゆっくりお茶を飲み、ただ話を聞くだけの地道なボランティアをしてきた。今でもメンバーの訪問を心待ちにしている高齢者は少なくない。

だがよろず相談室は今春、人手不足で活動の危機に直面していた。神戸市の事務所に常駐スタッフを置けなくなったうえ、活動資金も底をつき、東北までの交通費はメンバーの持ち出し。今年4、5月は震災後初めて、被災地への訪問を中止せざるを得なかった。

一筋の光となったのは、保育士を養成する神戸こども総合専門学院(神戸市北区)に「よろず相談室・分室」を7月に設置したことだ。定時制高校の教諭だった牧さんが3月に退職し、同学院の専任講師になったことをきっかけに、学院内に「分室」を設ける協定を交わした。専用の部屋はないものの、毎週木曜日に図書室の一角を利用して、若い学生らを巻き込んで被災地支援の活動に取り組めることになった。設置してまもなく関心を持って集まった学生は8人。早速、約600枚の暑中見舞いを被災地に送る「手紙支援」を行った。

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