2019年1月24日(木)

「FIFAマスター、卒業生は世界で活躍」 スポーツ研究国際センターのビンセント・シャッツマン事務局長

2014/5/22 3:30
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スポーツの経営・管理を教える大学院として高い評価を得ているスポーツ研究国際センター(CIES、スイス)のFIFAマスターは、世界中から入学者を集うのが特徴の一つだ。人気の背景などについて、CIESのビンセント・シャッツマン事務局長に聞いた。

スポーツ研究国際センターのビンセント・シャッツマン事務局長

――FIFAマスターはどのように始まったのですか。

「1995年に国際サッカー連盟(FIFA)とヌシャテル大学、それにヌシャテル州とヌシャテル市が共同でスポーツについて研究、教育、コンサルティングを手掛けるCIESを設立した。数年もすると、スポーツ組織の経営・運営に関する教育の場がないことに気付いた。当時のFIFA事務局長がスポーツ経営の修士を設けることを提案し、大学3校とFIFAが連携してFIFAマスターが設けられた」

「これが2000年のこと。当時はスポーツ経営に関する小規模なプログラムはあったかもしれないが、1年間それに専念するというのは我々がパイオニアだった」

――学ぶのはサッカーチームの経営に限らないのですね。

「それが成功した要因の一つだ。我々はすべてのスポーツに門戸を開いている。サッカーはもちろんのこと、バスケットボールなども学ぶ。例えば、薬物使用のケーススタディーではサイクリングや水泳を取り上げることもある」

――人気が高い要因をどう分析していますか。

「この分野のパイオニアだったからかもしれない。それにスポーツ産業、スポーツ団体での認知度が高い。卒業生は国際オリンピック委員会(IOC)やFIFAといった団体のほか、アディダスのようなスポーツ関連企業でやりがいのある仕事に就いている。採用した側の満足度も、高い評価の一因だ」

――授業の場所が英国、イタリア、スイスと3カ所あります。学生はどこに滞在するのですか。

「英国のレスターでは大学の宿泊施設があるし、ミラノは大都市なので滞在する場所を紹介するのはそれほど難しくない。ヌシャテルは小さな街なのでいくらか苦労はするが、3カ月ということで何とか対応している」

――授業の難易度が高いという印象を受けますが、中退する人もいるのですか。

「たしかにいる。4、5年前に(第2段階の)ミラノでやめた女性がいた。講義が難しすぎるのか、卒業できない場合もある。ただ、とてもまれなケースだ。大学院ということもあり、みんな修了へのモチベーションを維持している」

――卒業生について教えてください。

「14年やってきて、卒業生は370人前後になった。組織化しているのでネットワークは強力だ。毎年、国や大陸での同窓会を開き、2年に1度は世界規模で集まる。先輩は後輩の職探しも支援する」

「スポーツ関連のセミナーを開いたり、今年はサッカーワールドカップ(W杯)に合わせてブラジルに集まったりと卒業生の活動は盛んだ。今年は東京でのサッカーマネジメントセミナーで電通と組んだ。こうした場でも卒業生が活躍している」

――学費はいくらですか。

「学費は2万5千スイスフラン(約287万円)。学生はこれに加えて生活費も必要になる。推測は難しいが、どういう生活を送るかによって2万か3万スイスフランだろうか。奨学金は学費と生活費を合わせて4万5千スイスフランのものが2人分、学費のみで2万5千スイスフランが3人分ある」

「改善を目指すという意味では、もっと奨学金を増やすよう提案したい。22~24カ国から入学するという多様性を維持するには、必要なことだ。経済危機の影響なのか、奨学金の要望と申請が年々増えているのは事実だ」

(ジュネーブ=原克彦)

 ビンセント・シャッツマン氏 1980年、スイス・ローザンヌ生まれ。ヌシャテル大学で欧州法と国際経済法を学び、修士号を取得。スポーツマネジメントの学位も持つ。CIESでは法律顧問として務めた後に、2009年に事務局長に就任した。

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FIFAマスターの学生はスポーツの経営管理について幅広く学ぶ(スイス・ヌシャテル)

スポーツの経営学ぶ FIFAマスター[有料会員限定]

2014/5/22 3:30

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