2019年2月19日(火)

知の明日を築く 「未来の航空機つくる研究手掛ける」 航空宇宙高等学院(ISAE)のフレデリック・チベ研究部長

2014/3/20付
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航空機産業の町、フランス南部のトゥールーズ。その代表格エアバスを人材供給・研究の面で支える航空宇宙高等学院(ISAE)傘下の国立航空宇宙大学院大学(SUPAERO)。研究全体を統括するISAEのフレデリック・チベ研究部長に、現状や今後の方向性について聞いた。

――SUPAEROの特徴は。

ISAEのフレデリック・チベ研究部長

ISAEのフレデリック・チベ研究部長

「ISAEは、SUPAEROと航空建設エンジニア国立高等学校(ENSICA)からなるグランゼコール(仏高等教育機関)だ。もともとそれぞれ独立した学校だったが、両校とも仏国防省所管ということもあり、2007年に効率化の一環で一体化した。エアバスなどとの共同研究に取り組んでいる博士課程は200人程度だ」

――企業との共同研究が多い。

「トゥールーズを中心とする地域では、アエロスペース・バレーという産業クラスターが形成され、航空や防衛、宇宙産業の企業が集積している。約1600の企業・機関があり、我々もその一翼を担っている。当然、初期研究も活発で、産学連携が進むのは自然な流れだ。もちろん、その分野を志す優秀な学生もこの地域に集まってくる」

――エアバスとはどんな研究をしているのか。

「研究内容は多彩だ。13年には5年間で次世代の航空機のコンセプトを考える計画で合意した。SUPAEROはエアバスと共同で環境配慮、経済性、産業的なインパクトを考慮して、エコデザインの航空機をつくる予定だ。何を研究するかといった詳細を今、エアバス側と詰めているところだ。実用化まで、20年を見据えた長期的な研究に取り組むことが多く、研究者や学生は未来の航空機産業を支えているという自負がある」

「エアバスとは、約20の共同研究事案が進行中だ。30年までに電気航空機をつくる計画があるなど、最近は環境や省エネといった分野での協力が増えている。航空機をつくる部品の開発や、騒音の少ない機体デザインといった研究もある」

「エアバスは人材育成にも協力的だ。エアバスの親会社EADS(現エアバス・グループ)は13年、ISAEを含む航空関連の教育機関に3年間で45万ユーロを拠出することを決めた。この資金を元手に、システムエンジニアなどの教育を拡充した」

――航空機産業は成長が期待される。

「航空機は今でも世界各地からの受注が増えており、今後も増え続けるだろう。教育・研究機関として、人材供給や研究開発などの面から、航空機産業の成長に資する活動をしていきたい」

「とりわけ成長が期待されるのがアジアなどの新興国。SUPAEROの生徒は3割がフランス国外出身で、中国やインドからの留学生が増えている。07年にはエアバスなどと共同で、エアバスの組み立て工場がある天津に航空関連の学校を設立した」

 フレデリック・チベ氏 1965年生まれ。92年、工学系のグランゼコール、エコール・サントラル・パリで博士号。仏航空宇宙研究センター(ONERA)を経て、2007年から現職。

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