[FT]中国理財商品、土壇場の投資家救済に新たな疑問

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2014/1/29 14:18
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中国南部の都市に住む裕福な年金生活者が、北部のほとんど何も知らない石炭会社に資金を貸し付けるというのは、危険なギャンブルにみえるだろう。

しかしこの女性はそうは考えていなかった。少なくとも数週間前までは。2011年に中国工商銀行の深圳支店から高利回りの「理財商品」を勧められた。最小単位の300万元(50万ドル)で3年間、年率10%の利回りを約束された。銀行の担当者は安全性も保証したという。他の多くの投資家と同様に「中国最大の銀行が保証してくれる」という誤った思い込みがあった。

北京のICBC本店(2013年10月)=ロイター

北京のICBC本店(2013年10月)=ロイター

だが、この商品を購入した700人の投資家はリスクを過小評価していた。先週、工商銀は投資家に対し、元本が戻ってこない可能性を警告。同行がこの商品を保証したことはないとした。

大手信託会社の中誠信託が組成した信託商品「誠至金開1号」は、あと数日でデフォルト(債務不履行)に陥るところだった。

■高まる「影の銀行」リスク

グローバル市場にとって、問題の商品は、中国の「影の銀行(シャドーバンキング)」の拡大につれて高まるリスクを象徴するものだ。信託会社などのノンバンクは今や、銀行融資を受けるには危険すぎると当局が判断した企業に資金を提供する役割を果たしている。正規の銀行システムを経由しない資金供給は、13年の新規分17兆元の3分の1以上を占めている。

今年償還を迎える理財商品はおよそ4兆元(6610億ドル)あり、逼迫する金融状況のなか、さらに問題を引き起こすとの見方が多い。

「誠至金開1号」の場合、工商銀の顧客は合計30億元を投資した。中国全体で1兆2000億ドルに上る信託市場のごく一部ではあるが、(山西省の)石炭会社、山西振富能源集団への投融資にすべてつぎ込まれた。石炭価格の急落で同社が多額の債務を抱えて実質破綻するなど、ひどい投資だった。

償還の4日前である27日、工商銀は投資家に元本を返済することで合意したと通告した。ただ、受け取る予定だった利息の4分の1はあきらめることになるという。

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