2019年9月16日(月)

[FT]欧州のデータ保護、クラウド時代に対応遅れ

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2013/7/29 14:00
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(2013年7月29日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

クラウドコンピューティングは、設備投資の負担を減らし、無制限の処理能力や記憶容量を提供する革命として大いに歓迎されてきた。しかしここ数週間、クラウド上に保存された欧州のデータが、外国の情報収集活動の脅威にさらされる懸念が高まっている。

お昼時のパリを覆う黒雲(6月17日)=ロイター

お昼時のパリを覆う黒雲(6月17日)=ロイター

米中央情報局(CIA)元職員エドワード・スノーデン容疑者の告発以来、ローカルなハードドライブではなく外部にデータを保存するクラウド時代に、欧州の情報保護ルールが対応できていない現状が浮き彫りになった。大量のデータが一瞬にして国境を飛び越え、しばしば複数の国のサーバー上に同時に存在するため、データ保護やデータ転送の規制がますます複雑になっている。

こうした懸念の高まりを背景に、先週、ドイツの情報保護当局は、欧州連合(EU)から域外へのデータ転送を可能にする「セーフ・ハーバー協定」の一時停止を求めた。

■外国情報機関からデータ保護できない現規制

EUでは域内のデータ保護ルールの改革が協議されている。一部アナリストはルールの変更によってクラウド企業の抱える問題がさらに複雑になる恐れがあるとみる。

米国では愛国者法や外国情報監視法(FISA)の修正法により、当局が米国のクラウド企業に対し、米国市民以外のデータを提出するよう強制することができる。欧州のデータ規制では外国の情報機関に対抗するような保護はほとんどない。

クラウド企業の大多数は米国に本社を置く。しかし、欧州に本社がある企業でも、米国に子会社や営業所があれば、理論上は米当局のデータ提供要請に応じなければならないことになる。米国法は「米国において継続的かつ組織的な事業」を手掛けるすべての企業に適用されるからだ。

スイスに本社があるクラウドシグマは、同社のクラウド事業の世界拠点をそれぞれ別会社として運営し、米国からデータ提供要請を受ける法的根拠がないようにしたという。

同社のロバート・ジェンキンス最高経営責任者(CEO)は「持ち株会社はスイスの会社であり、米国法の域外適用に応じる必要はない。米当局は越権を試みるかもしれないが、毅然として当社の立場を説明するつもりだ」と述べた。

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