2018年11月18日(日)

[FT]シェールガス革命で米CO2排出量が大幅減

2012/5/24 14:00
保存
共有
印刷
その他

(2012年5月24日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

米国で新型天然ガス「シェールガス」の生産急増を受けて発電用燃料の石炭から低価格のガスへの切り替えが進み、同国の二酸化炭素(CO2)排出量が大幅に減少した。

■5年間で4億5千万トン減少

米国でシェールガスの生産が増えている(5月9日、米ケンタッキー州ケネディ近郊にある掘削装置)=AP

米国でシェールガスの生産が増えている(5月9日、米ケンタッキー州ケネディ近郊にある掘削装置)=AP

国際エネルギー機関(IEA)によると、米国の発電関連のCO2排出量はこの5年間で4億5千万トン減少。調査対象国の中で最大の減少幅を示した。

IEAチーフ・エコノミストのファティ・ビロル氏は、米国のCO2排出量が減った原因として輸送燃費の改善と電力供給で石炭からガスへの「大転換」が進んだ点を挙げた。

「これは政策と技術革新の連携が生み出したサクセスストーリーだ。政策効果で省エネが進み、技術革新によりシェールガスの生産が可能となった」と語った。

シェールガスの登場で米国のエネルギー情勢は一変した。生産急増で天然ガス価格は10年ぶりの水準まで低下し、産業再生への期待も膨らんでいる。

一方、環境問題を巡り激しい論争も起きている。シェールガスの生産過程で地下水が汚染される可能性があるとの批判もある。

ガスは急速に米国の主要発電用燃料となりつつある。米エネルギー省によれば、石炭火力発電はこの1年で19%減少したのに対し、ガス火力発電は38%増加。ガス火力発電所のCO2排出量は石炭火力発電所の半分で済むという。

■全世界の排出量は1年で10億トン増

だがIEAによれば、化石燃料の燃焼が主因となり、2011年の世界全体のCO2排出量は316億トンに達した。前年に比べ10億トン増え、06~10年の年平均排出増加量6億トンを大きく上回る数値である。

国際環境保護団体グリーンピースのジョン・ソーベン代表は「この排出増加は壊滅的な影響を及ぼすだろう。真の緊迫感を持ち、即座に行動を起こさなくてはならない」と警告する。

中国の11年のCO2排出量は前年比9.3%増となり、7億トン以上増えた。インドはロシアを抜き、中国、米国、欧州連合(EU)に次ぐ世界第4位のCO2排出国となった。

中国はCO2排出量ではトップだが、1人当たりの排出量では先進国の3分の2にとどまる。中国は省エネ対策に「熱心に取り組んで」おり、この5年間でエネルギー効率は15%改善したとIEAのビロル氏は指摘。中国の取り組みがなければ、世界のCO2排出量はさらに15億トン多かったはずだという。

By Guy Chazan

(c) The Financial Times Limited 2012. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

今なら有料会員限定記事もすべて無料で読み放題

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報