[FT]中国タブレット市場で苦戦する米アップル

2013/8/22 14:00
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(2013年8月22日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

競争が激しい中国のタブレット(多機能携帯端末)市場で、米アップルの「iPad(アイパッド)」のシェアがこの1年でほぼ半減したことがわかった。米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載した安価な端末が急速に売り上げを伸ばし、iPadを追い抜いた。

バス停に設置されたiPad広告用の電光掲示板(13日、北京)=AP

バス停に設置されたiPad広告用の電光掲示板(13日、北京)=AP

■前年同期でシェア半減

米調査会社IDCによると、中国における4~6月期のiPad出荷台数は148万台で、同国のタブレット市場でのシェアは28%と前年同期の49%から急減した。

一方、韓国サムスン電子のアンドロイド搭載端末の出荷台数は4倍の57万1000台に増え、シェアは11%と倍増した。アップルの競合相手の多くは中国の中小企業で、シェア1%未満のメーカーを合わせると市場全体の50%を占め、前年同期の36%から大きく伸びた。

中国の状況はアップルが世界のタブレット市場で支持を失いつつある現状と呼応する。IDCが今月発表したデータによると、アップルの4~6月期の世界シェアは前年同期の60.3%から32.4%に急落した。

IDCのアナリスト、ディッキー・チャン氏は「多くのアンドロイド採用メーカーが低価格を武器に成長している」と指摘。「サムスン、中国のレノボ・グループ(聯想集団)、台湾のエイスース(華碩電脳)やエイサー(宏碁)は、より競争力のある製品を提供し、消費者はスマートフォン(スマホ)の段階からアンドロイドOSに慣れ親しんでいる」と話す。

■部品価格下落でアンドロイド攻勢

イベント会場でサムスンの「ギャラクシーS4」を試す人たち。IDCによると、サムスンは800億ドルの中国スマートフォン市場で19%のシェアがあり、アップルより大きいという(4月19日、北京)=ロイター

イベント会場でサムスンの「ギャラクシーS4」を試す人たち。IDCによると、サムスンは800億ドルの中国スマートフォン市場で19%のシェアがあり、アップルより大きいという(4月19日、北京)=ロイター

アップル製品の出荷が伸び悩む傾向はiPadだけでなく、スマホ市場でも顕著だ。アンドロイド搭載の中国製品が、低価格と多彩な機能を売り物にアップルを王者の座から引きずり下ろしつつある。

アンドロイド搭載タブレット台頭の主因は部品価格の下落にある。それにより中国の低価格ブランドが市場で存在感を高めることになった。

米調査会社IHSのサプライチェーン・アナリストによると、7インチ型タブレット向けタッチパネルの平均単価は昨年10月から今年3月にかけて7.5%下落し、15ドル60セントとなった。

中国の低価格スマホに部品を供給する台湾の半導体大手、聯発科技(メディアテック)はタブレット向け新型半導体の生産に本腰を入れ始めた。安さが売りの中国の半導体設計会社もタブレット市場に相次ぎ参入している。

IDCのチャン氏は、アップルがiPadの新製品を中国市場に投入すれば、形勢を立て直せるかもしれないと話す。さらに「もしアップルが旧世代の製品価格を引き下げれば、iPadを選ぶ消費者はさらに増えるだろう」とも指摘した。

By Kathrin Hille and Sarah Mishkin

(c) The Financial Times Limited 2013. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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