2019年4月20日(土)

[FT]ブラジル・インド、中国に人民元切り上げ要求

2010/4/22付
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(2010年04月22日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

これまで中国政府に通貨切り上げを強く迫ってきた米国に思わぬ援軍が現れた。発展途上国も人民元切り上げを求め始め、中国政府の通貨政策への風当たりが強まっている。

ワシントンで22日に始まる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会合を前に、インド、ブラジル両中央銀行総裁は、両国としてはこれまでで最も強い調子で中国に人民元切り上げを迫った。

「世界経済の均衡に不可欠」

これまでは公の場で中国政府に圧力をるのは主に米国だったが、両中銀総裁の発言は、途上国の多くが中国政府の事実上の対ドル固定相場制(ドルペッグ制)を、自国経済への負担と見なしていることを示す。

メイレレス・ブラジル中央銀行総裁は、人民元切り上げについて「世界経済の均衡に不可欠」と表明。「世界市場にはいくつかのゆがみがある。一つは成長の欠如、もう一つは中国だ」と述べた。

インド準備銀行(中央銀行)のスバラオ総裁は、過小評価された人民元によってインドを含む国々に問題を生じさせていると指摘した。

同総裁は「人民元の切り上げはインドの対外セクターに好影響を及ぼす」としたうえで、「もしいくつかの国々が為替を操作し、自国通貨レートを意図的に低く抑えれば、その調整の負担は活発に為替操作をしていない各国にのしかかる」と語った。

この件に関して先週、シンガポールのリー・シェンロン首相も、金融危機が終息した現状下でより柔軟な為替レートを設定することは「中国自身の利益につながる」との見解を示している。

中国の一部政策当局者は、人民元切り上げを求める米国の圧力は、金融危機の真の原因から目をそらすものと反発してきた。しかし発展途上国からの批判をむげに拒絶することは難しい。「先進国と新興国が一致団結して中国に人民元切り上げを迫れば、中国側が(圧力を)大国の横暴の最たるものと一蹴(いっしゅう)することはより難しくなるだろう」と米外交問題評議会シニア・フェローのセバスチャン・マラビー氏は語る。

発展途上国に及ぼす影響は不明確

中国為替政策に対する他国からの批判が高まる一方で、米政府高官や専門家は、今後数カ月以内に中国政府がドルペッグ制を放棄するとの見通しから、米中両国間の緊張は小康状態に入っている。

しかしながら、中国の為替政策がほかの発展途上国に及ぼす影響は明確ではない。いくつかの国は、自国通貨レートがこの1年で急上昇して輸出競争力が低下し、中国との競争が激化したと見ている。一方で、隣接するアジア諸国やブラジルのような資源輸出国にとって中国の景気回復が自国経済への追い風になっているという側面もある。

By Geoff Dyer

(c) The Financial Times Limited 2010. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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