2018年8月19日(日)

[FT]ガスプロム、シェールガス革命が脅威に

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2012/11/13 14:00
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(2012年11月13日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 ロシア国営ガス企業ガスプロムが先月、主要事業と位置づける北極圏のボワネンコフガス田の商業生産を開始した。欧州の需要を今後数十年間満たすガスが埋蔵されていることを考えれば、これは輝かしい門出となるはずだった。

■シェールガス、独禁法、ロスネフチ…

プーチン大統領はガスプロムにシェールガスブームに目を向けるよう求めている=ロイター

プーチン大統領はガスプロムにシェールガスブームに目を向けるよう求めている=ロイター

 ところが、同事業は計画を上回る歳月と440億ドルを超す資金を投資したにもかかわらず、プーチン大統領の言動により早くも冷水を浴びせられている。大統領がガスプロムに対し、米国のシェールガスブームにもっと目を向けるよう求めたからだ。

 世界中に広がりをみせるシェールガス革命は、欧州を主要輸出先とする同社の地位を揺るがし、ボワネンコフガス田のような事業を過去のものとしてしまう恐れさえある。

 プーチン大統領は「政治家や専門家、企業はシェール革命について真剣に議論している。我々は今後2~3年ではなく、十年後を見据えてシェールガスの動向を見極めなければならない」と述べた。

 ガスプロムはシェールガスの重要性を長年否定してきた結果、世界の市場で競争激化にさらされ、欧州委員会からは独禁法違反の疑いで調査を受けている。

 国内でも、国営石油最大手ロスネフチの台頭に脅かされている。同社はロシア3位の石油大手TNK―BPと550億ドルでの同社買収に合意した後、国内の大口供給契約を新たに獲得した。

■原油価格連動の長期契約が困難に

 米国でのシェールガスブームと液化天然ガス(LNG)の欧州への新規供給により、ガスプロムは1989年の設立以来最大の脅威にさらされている。さらに悪いことに、同社が輸出するガス価格は原油価格に連動した長期契約に基づいているが、ライバル各社による割安な「スポット」価格でのガス供給が同社のビジネスモデルを脅かしている。

 安価なスポット価格での供給が欧州でのガス販売全体の50%近くにまで増えるなかで、ロシアが原油価格に連動した長期契約を維持するのは今後ますます困難になるだろうとアナリストや業界関係者は指摘する。

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