[FT]「トウモロコシは食料」、国連が米に燃料生産停止を要請

(1/2ページ)
2012/8/10 14:00
保存
共有
印刷
その他

(2012年8月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

国連は米政府が定めたエタノール生産の即時差し止めを求めた。米大統領選を前に、オバマ大統領はトウモロコシは食料か燃料かを巡る論争への対応を迫られている。

■食料価格の引き下げを期待

米国の穀物は干ばつで打撃を受けている(8月1日、米アーカンソー州のトウモロコシ畑)=AP

米国の穀物は干ばつで打撃を受けている(8月1日、米アーカンソー州のトウモロコシ畑)=AP

トウモロコシを原料とするエタノールの賛否を巡り、トウモロコシ価格の高騰で恩恵を受けているアイオワなど、一部激戦州を含む農業州は、エタノール精製での飼料コスト上昇のあおりを受けているテキサスなどの畜産州と議論を戦わせている。

国連の介入は、トウモロコシの急騰に警鐘を鳴らしてきた各州の知事や政治家、食肉・畜産業界の注目を集めている。フランスやインド、中国など主要20カ国・地域(G20)も米バイオ燃料政策への懸念を表明している。

国連食糧農業機関(FAO)のグラジアノ・ダシルバ事務局長は、米国では少なくとも半世紀ぶりの干ばつで穀物が「大打撃」を受けたにもかかわらず、国内トウモロコシ生産量の約40%が法律に基づきエタノール精製に転用される見通しだと警告。10日付のフィナンシャル・タイムズ紙への寄稿で「(エタノールの)使用義務量を即時差し止めれば、市場の騰勢は一服し、食料や飼料に回るトウモロコシが増える」と主張した。

だが、一部アナリストはエタノール生産が差し止められても、食料価格への影響は期待ほどではないとみている。使用義務量を無視したとしても、米製油業者は自社のガソリンの環境仕様を満たすために数十億ガロンのエタノールを必要とするからだ。さらに、エタノールは今や世界のエネルギー供給で大きな割合を占めており、使用義務量の差し止めで石油価格の上昇を招く恐れがある。

■穀物価格が30~50%急騰

今年後半にかけて食料不足が懸念されるなか、グラジアノ・ダシルバ事務局長は、状況は「不安定」ではあるものの、まだ危機的ではないと強調。一方で「リスクは高く、現状への対応を誤れば危機を招くことになる」とも指摘した。

米国の7月の平均気温が117年前に観測を開始して以来最高に達したことを受け、6月以降のトウモロコシや大豆、小麦の価格はいずれも30~50%急騰している。米中西部の農業地帯ではこの数カ月間ほとんど降雨もない。

  • 1
  • 2
  • 次へ

日経電子版が最長2月末まで無料!
初割は1/24締切!無料期間中の解約OK!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]