(2011年3月7日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
ロシア政府は海外資金を呼び込む動きを強めている。関係者によると、外国の大手プライベート・エクイティ(未公開株投資)ファンドとの共同出資により100億ドルのファンドを設立する計画で、非公式に米金融大手ゴールドマン・サックスに先導役を依頼したという。
■大統領諮問機関に欧米金融大手の幹部
これとは別に、モスクワを国際金融センターにするための方策を助言するメドベージェフ大統領の諮問機関を設ける。委員の顔ぶれにはゴールドマンのブランクファイン最高経営責任者(CEO)、米買収ファンド大手、ブラックストーン・グループを創業したシュワルツマンCEO、米銀大手JPモルガン・チェースのダイモンCEOやバンク・オブ・アメリカのモイニハンCEOなどが並ぶ。仏投資銀行BNPパリバや伊最大手銀ウニクレディトの代表者も加わるという。
100億ドルのファンド計画は大統領直々の指示によるものだと関係者は話す。働きかけのあった大手投資会社は米アポロ・マネジメント、ブラックストーン、米カーライル・グループなどで、各社とも対応を検討中とのことだ。
ロシアは中東地域の政府系ファンドにも打診したとみられる。しかしこれまでのところ、投資ファンドの大半は同国に極めて強い警戒心を示している。
例えば、カーライルはこの10年に2度、ロシアで投資チームを立ち上げたが、後に解散している。共同創業者のデビッド・ルーベンスタイン氏は1日のベルリンでの会合で、ロシアでの投資は見込まれる利回りがリスクに見合う水準でなかったと説明した。「BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の他の3カ国に比べると見劣りがする」と同氏は言う。
■払拭しきれない腐敗や商習慣への疑念
今回の計画に特に期限はないものの、今月末に政府関係者がプーチン首相に面会し、計画の承認を得るとみられる。資金の運用はその後、時間をかけて行う見通しだ。
ロシアのシュワロフ第一副首相の報道官は、投資ファンドについて政府内で協議中であることを認めたが、詳細については明言を避けた。ゴールドマン側もコメントしなかった。
ロシアに対しては欧米投資家の間で、法支配の確立やビジネス習慣、腐敗のまん延などを巡り、疑念が払拭されていないのが実情だ。
一方、政府高官らはロシアの国有資産を彼らのいう「魅力的な」価格で売却することも計画している。
By Henny Sender and Catherine Belton
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