ベルギー、安楽死の年齢制限を撤廃へ
【ブリュッセル=御調昌邦】ベルギーは、安楽死に対する年齢制限をなくす。現在は18歳以上で患者の自発的な判断があったうえで「耐え難い苦痛」など特定の条件を満たせば医師の処置による安楽死が認められているが、今後は低年齢の子供も対象になる。同国内では支持する人が多い一方、一部の医師や宗教団体には反対論もあった。今後、国際的な議論を呼びそうだ。
ベルギー議会の下院が13日、安楽死に関する法改正案を賛成多数で可決した。子供も大人と同じく自分で生死を決める権利があるとの考えが支持を集めた。上院は既に昨年12月に可決しており、国王が署名すれば施行される。
オランダでは12歳以上の安楽死が認められているが、法律で年齢の制限をなくすのはベルギーが初めてという。安楽死を決断できるようになる時期は個人によって異なるため、年齢で区切るべきでないとの認識が背景にあるようだ。
今回の改正案では、子供が安楽死を選択する際には、これまでの条件に加え、親の承諾や本人の判断能力を確認することが求められる。一部には子供が本当に冷静な判断をできるのかといった議論もある。
ベルギーでは2002年に特定の条件下での安楽死が合法化され、現地報道によると12年には年間1432件の安楽死が報告された。
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