NYタイムズ、中国語版サイト開設 全記事が無料
【ニューヨーク=清水石珠実】米有力紙ニューヨーク・タイムズは28日、中国語のニュースサイトを開設した。中国で急拡大する「高学歴」「高収入」の読者層を取り込み、世界的な高級ブランドなどからの広告収入の獲得を狙う。米国では電子版の記事を一部有料化しているが、中国語版は全記事を無料で閲覧可能にし利用者拡大を目指す。
毎日、約30本の記事を中国語で提供する。「国際情勢」や「ビジネス」、「文化」などの多様なトピックを網羅する予定で、同紙英語版の翻訳記事が約7割、残りの3割は中国在住の地元エディターなどによる独自記事となる。
中国政府による検閲が懸念される問題については、同社のブログでサーバーを中国国外に置くことで介入を避け「同社独自のジャーナリズムの基準を貫く」と述べた。同紙の英語記事は時々、中国内での閲覧を制限されることがあるという。
NYタイムズは、中国語サイトの読者層を「教養があり、裕福で、世界の出来事に関心のある人たち」と想定する。同日付のサイト画面には、仏カルティエや伊フェラガモなどの高級ブランドが広告を出稿した。
欧米新聞としては、すでに米ウォール・ストリート・ジャーナル紙や英フィナンシャル・タイムズ紙が中国語サイトを運営している。
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