インテルの半導体世界シェア15.6%、過去11年で最高
2011年
【シリコンバレー=奥平和行】米調査会社のIHSアイサプライは26日、2011年の半導体世界シェアを発表した。パソコン向けMPU(超小型演算処理装置)最大手の米インテルのシェアが前年比2.5ポイント増の15.6%となり、過去11年間で最高になった。スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)向けが好調だった米クアルコムもシェアを拡大した。
順 位 (前年順位) | 企業名 | シェア (%) | 前年比 増 減 (ポイント) |
1(1) | インテル(米) | 15.6 | 2.5 |
2(2) | サムスン電子(韓) | 9.2 | 0 |
3(4) | テキサス・インスツルメンツ(米) | 4.5 | 0.3 |
4(3) | 東芝 | 4.1 | ▲0.1 |
5(5) | ルネサスエレクトロニクス | 3.4 | ▲0.5 |
13(14) | ソニー | 1.6 | ▲0.1 |
15(11) | エルピーダメモリ | 1.2 | ▲0.9 |
20(15) | パナソニック | 1.1 | ▲0.5 |
23(28) | 日亜化学工業 | 0.9 | 0.2 |
25(23) | 富士通セミコンダクター | 0.9 | 0 |
11年のパソコン販売は、世界経済の停滞やタブレット端末などとの競争激化により苦戦したが、インテルは付加価値が高い新製品の販売を増やした。また独インフィニオン・テクノロジーズから携帯電話向け半導体事業を買収したことも寄与し、11年の半導体売上高は前年より2割強増加。シェアは01年の14.9%を上回った。
市場が急拡大しているスマホ向けMPUに強みを持つクアルコムのシェアも、前年比1ポイント増の3.3%に拡大して順位を前年の9位から6位に上げた。同社の11年の売上高は前年比41.6%増となり、伸び率は上位15社の中で最高になった。
一方、日本勢は東日本大震災の影響などにより軒並みシェアを落とした。国内最大手の東芝のシェアは0.1ポイント減の4.1%にとどまり、順位は3位から4位に後退。ルネサスエレクトロニクスも0.5ポイント減の3.4%だった。ただ発光ダイオード(LED)照明の需要拡大を追い風に、日亜化学工業は売上高を34.1%増やし、シェアは前年の0.7%から0.9%に上昇した。
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