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フェイスブック株急落、怒りの矛先ナスダックに(NY特急便)

米州総局・川上穣

週明け21日の米株式市場で、交流サイト(SNS)最大手のフェイスブック株が前週末に比べ11%安の34.03ドルと急落して引けた。上場わずか2日目で早くも公開価格(38ドル)を割り込んだ。IT(情報技術)業界で最大の上場案件。高い注目を集めた割に株価の上値は重く、投資家の見切り売りを招いた。

一方で、ダウ工業株30種平均は7営業日ぶりに反発。ギリシャ債務問題への警戒ムードがやや和らぎ、上げ幅は130ドルを超えた。このところ値動きがさえないアップル株も約6%高。フェイスブックとの対照的な動きに、「フェイスブック上場に失望した投資家が、投資先をアップルに乗り換えた」とまことしやかな解説も流れる。

週を明けても、フェイスブック上場を巡るウォール街の怒りは収まらない。「これまでで最悪の新規株式公開(IPO)。責任は、すべてナスダックにある」。米証券仲介ナイト・キャピタル・グループのトーマス・ジョイス最高経営責任者(CEO)が21日、米テレビに早口でまくしたてた。

フェイスブックが上場先に選んだのは、IT企業が多く上場するナスダック市場。だが18日の上場当日は取引開始が予定より30分も遅れた。売買が成立したかを証券会社に通知するのに約2時間もかかり、市場は大きく混乱。フェイスブック株の低迷は、投資家の市場不信が根っこにあるとの見方は少なくない。

証券業界の怒りも理解できなくはない。これを機に優良な投資家を囲い込み、売買の活性化につなげる。そうした狙いも、株価がすでに公開価格を割り込む水準では望むべくもない。

上場日の売買を巡る混乱で、投資家の損失を一部肩代わりしている証券会社も少なくない。ナイトのジョイスCEOは「(損失額が)総額で1億ドル(約80億円)近くに達していると聞いた」と語る。

ナスダックも損失を負担する構えを見せている。米証券業の自主規制機関である米金融取引業規制機構(FINRA)などもまじえ、具体的な協議が進む見通しだ。

上場日に初値が付く直前、ミリセカンド(数千分の1秒)単位で売買注文の修正が大量に入り、取引システムによる初値算出に遅れが生じた。ナスダックはこれまでの調査で技術的なわずかなミスが、取引の混乱を招いたとしている。

モルガン・スタンレーをはじめ、30社を超えた上場の引受証券会社。高度な取引システムを自負してきたナスダック。米金融業界が威信をかけて臨んだフェイスブック上場だったが、今の株価低迷がすべてを物語る。歴史的なIPOは、何とも言えない後味の悪さを残している。

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