トヨタ、「自動走行車」公開 安全技術をフル装備
【ラスベガス=杉本貴司】トヨタ自動車は7日、米ラスベガスで同社初の自動走行車を公開した。特殊なレーザーやカメラなどを、車の天井上やフロントバンパーに搭載。周囲の障害物や車のスピード、交差点の状況、信号の色などを識別して自動で走る。トヨタは現段階で市販化の予定はないとしているが、自動化技術の開発を通じて車の安全性の完成度を高めたい考えだ。
8日から米ラスベガスで開く国際家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」に出展する。これに先駆けて報道陣に公開した。トヨタはこれまで静止している障害物を自動でよけ、自動で停止する機能を搭載した「プリウス」を公開したが、完全に自動走行が可能なクルマを公表するのは初めて。
今回公開した自動走行車はトヨタが持つ通信技術をフル活用した。車の天井上に搭載したレーザーを回転させ、周囲70メートルの障害物を探知。色彩を認識するカメラで信号の色を読み取り、停止するかを判断する。このほかレーダーで交差点付近の車や人の動きを探知したり、道路の白線などを読み取って走行状態を瞬時に解析し、自動でハンドルを操作する仕組みだ。車間通信や全地球測位システム(GPS)も活用した。
自動走行車は米フォード・モーターや米ゼネラル・モーターズも開発を進める。独アウディも8日にCESで公開する予定だ。車とIT(情報技術)を融合した究極の「賢い車」とされ、米グーグルも実用化に向けて開発に着手している。
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